低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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自分自身の価値観に誇りを持って えあゆ
自分自身の価値観に誇りを持って
文音
文化もパーソナリテイも、多くの場合少しずつ変化し、時には大きく急速に変化しうるものである。文化コードは長年の間に一人一人の人間の安全と満足を求める欲望が集まり、暗黙の合意のうちに作り上げられたと考えられがちであるが、そこには社会の強者、権力者の安全と満足を求める欲望が支配的なものと自然となっていった。今日、あらゆる点において高度に総合的な組織性を高めた社会では、個人としての権力者ではなく、その構造的力動によって自立的に作り出されるより大きな交換価値こそが、文化コードとして支配者の地位につくことになっている。私たちの支配者は、かつてのように名前を持った権力者ではない。私達の欲望は、今の時代の価値観に左右されている。その中でも、その価値観から逃れることは出来ない。(要約)
確かに、自分自身の価値観に従って生きることは大切であると私は考える。たとえば、つい最近私の通っている学校で行われた小論文の授業で、あるひとつのテーマについてクラスみんなで自分たちの考えを発表していき、討論をしていたのだが、そのとき、誰もが自分自身の価値観にしっかりと従っており、皆意見を積極的に述べ合っていた。そのときの皆の顔は、きらきらと輝いており、まるですばらしいものを見ているかのように、生き生きとしたまなざしで授業を受けていた。そのとき改めて私は、自分自身の価値観に従って生きていくということは、すばらしいことだと実感した。(複数の意見一・体験実例)
しかし、大切であると私は考える。たとえば昔から昔話で有名となっている「桃太郎」では、主人公の桃太郎が犬、猿、キジと一緒に旅し、鬼を退治したのではなく、ウルトラマンを退治していたとすれば、ひとつの昔話の中に時代の価値観に大きな差ができ、昔話を成り立たせることは出来なかったであろう。このように、価値観というものは、その時代に合わせて行動しなければ、いくらよい価値観をもっていたとしても、意味がなくなってしまい、大変なことになってしまうと私は考える。(複数の意見二・昔話実例)
確かに、自分自身の価値観に従って生きることも、その時代の価値観に合わせて行動していくこともどちらも大切なことであると私は考える。しかし、一番に大切なことは、現在のことだけを一生懸命考えていくのではなく、未来の価値観を自分たちの手で作り上げていき、築いていくことであると私は考える。また、「英雄が歴史を作るのではなく、歴史が英雄を作る。」という名言もあるように、価値観というものが私たち人間・そして我々の社会を作っていくのではなく、私たち人間・我々の社会が価値観を作り出していくのである。これからの時代は、私たちのような若い世代の手で現在の日本の社会、そして世界を作り上げ、変えていかなければならない。そのためには、自分自身が持っている価値観に誇りを持つことが必要となってくると私は考える。(反対意見への理解・総合化の主題・名言の引用)
講評 hota
今回は、元の長文が難しかったですね! いろいろと耳に馴染みがない言葉が出てきて、読み取るのが大変だったと思います。でも、すんなりとは頭に入ってこないこういう文章を必死で理解しようと頑張っていると、脳の皺が増えていそうな気がしませんか? こういう体験を、なんだか「アハ体験」とかいうらしいですね。(「世界一受けたい授業」の番組でやっていました。)しかも、休み宿題だったのに、いつもと変わらず早々に提出したところが感心です。
難しかったですが、要約も的確でした。複数の意見の一と「体験実例」もいいね。文音さんの学校は、おそらく、こういう「個性」や「自分の意志」を磨くことができる、いい場所のようですね。
複数の意見の二は何か抜けていましたが、「その時代の価値観に合わせて行動していくことも大切だ。」ということですね。「昔話実例」は、やや苦しかったですが、まあ、こういう時もあるでしょう。(ヒント自体が苦しかったですしね。)
最後の段落は、「価値観というものが私たち人間・そして我々の社会を作っていくのではなく、私たち人間・我々の社会が価値観を作り出していくのである」の部分がいいね。これは、高校生の項目である、「自作名言」というものにあたります。それができているのもすごい。
★「自分の意志」がまずはっきりしないと、「周りの意志」がまるで自分のもののように混同してしまうことになります。これは悲劇です。まずは「自分」と「他人」をはっきりと区別することから始めないとね。でも、文音さんは大丈夫そうね。
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