低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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異文化の壁 読書の神
今日の社会では、異文化コミュニケーションいう言葉がよく聞かれ、国際社会で活躍するためには、英語力が絶対必要である。しかし、学校の授業では、実際に使える力は、養うことができない。実際に外国人と、例えば、アメリカ人と出会ったならば、私たちはその明るさに驚かされるだろう。私たちはしばしば、異文化の中でのコミュニケーションにおいて、異質さや、違和感を覚える。アメリカ人にとっては、いつも笑顔で、自分の心を見せないことが、一つのコミュニケーションの方法であるのだ。このような壁を乗り換えて、異質な文化の中での共存を求めていくためには、どうするべきだろうか。
第一の方法としては、お互いの文化をよく知ることである。私が、高校一年生のときに、ネイティブスピーカーの先生による、オーラルコミュニケーション(略してOC)という授業があった。その先生は60歳近く、日本に長年住んでいるアメリカ人の男の先生であった。体格がとても立派で、ただ歩いてくるだけで強力な威圧感を与える。とても日本語が達者で、漢字も読むことができるし、日本人である私よりも、日本語を知っているのではないかと思わされることもあるほどである。私はその先生の最初の授業のとき、その威圧感と、巧みな英語や日本語によって、とてつもない恐怖心を覚えた。クラスには、その先生に当てられると、何も答えられず黙ってしまう生徒が出るほどであった。その先生の英語や日本語には、その節々に皮肉や、嫌味がこめられていて、体が自然と拒否反応を示すほどであった。しかし、その先生の授業に慣れるにつれて、その先生のきつい言葉は、大半がジョークだということがわかってきた。アメリカンジョークに慣れていなかった生徒にとっては、ひどく恐ろしい言葉を受け取ることと同じだったのである。そして、その先生の言葉のジョークが理解できるようになってからは、ユーモアや優しさまでも感じられる様になった。このように、相手の文化を知らないと、先入観や偏見によって、勝手に相手を判断してしまうことになる。時間がかかるものもあるが、お互いの文化をよく知ってこそ、共存が可能なのではないか。
第二の方法としては、子供のころから、自分をアピールする方法を学ぶことである。アメリカでは、小学生のうちから、アピール力をつけるために、スピーチのような練習をするそうだ。私も小学生のころ、日替わりで、みんなの前で話をする時間があり、苦手だったのを覚えている。歌のテストなども、普段は歌うことが好きでも、いざ人前に立って歌うとなると、とてつもなく緊張してしまう。幼いころから、自分をアピールすることを身につけることは、成長すると恥の意識が大きくなるので、とても重要なことだと思う。戦国大名の織田信長は、幼少から青年時には奇矯な行動が多く周囲から「尾張の大うつけ」と称されていた。幼少の頃から、アピール力を身につけていったことで、大人になってから、最も有名な戦国大名の一人になることができたのであろう。
確かに、異なる文化の中でも、他に染まらず、自分らしさを主張することは大切である。しかし、異文化の中で、それぞれの文化が共存すれば、より広い世界を築くことができるのではないだろうか。そのためには、国際社会に生きる私たちは、より広い視野を持ち、先入観や偏見を抱くのではなく、異文化を受け入れ、深く知ることが必要である。異文化とは、人々を隔てる壁ではなく、お互いに歩み寄り、理解し合うことによってでできる、共同体のもとである。(名言)
講評 nane
第一段落は、自分なりにまとめたんだね。こういう書き方の方が、小論文では有効に使える。
第二段落の体験実例はリアル。(笑)昔は外国の人に身近に接する機会が少なかったから、みんなそういうジョークがわからなかったんだろうね。ジョークの文化がある国とない国とでは、コミュニケーションの前提からして違うから、理解し合うまでに時間がかかるね。
第三段落の体験実例も共感できる。日本人は人前で発表することに慣れる機会が少ないんだろうね。織田信長の伝記実例は、あっさりと書いた。(笑)この辺を更に研究していこう。
「異文化とは……」の名言は、ちょっとわかりにくいか。異文化が豊かさの条件だということでまとめていってもいいかも。
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