国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   伝達の重要性   こずっち

 最近コトバの厳密さというのが重視されている。日本人にとってコトバとはとても曖昧で、それが良いとされている面が多い。けれども欧米でははっきり言うことが大事であって、濁したりすることは嫌がられる。そこにはお互いの歴史や地理的状況に関係しているということもあるが、言語が統一されていなくてもコミュニケーションをとることは可能であるとする考えも多い。しかし科学という側から見ると、そんな穏やかな見解では結果が定まらない。進歩するためには少しでも正確なデータをとらねばならないからだ。そこから派生して、統計の分野だけでなく普段の会話の中でも情報伝達の道具はただ伝えるだけでは信憑性に欠けてしまい、伝わらない場合が多々あるということが判ってくる。日本人はもっと厳密に言い切ることを学ぶべきだ。
 理由の一つ目として、誤解を招いたり、コトバを鵜呑みにすることで命取りになったりすることがあることだ。ちょっとなら訂正できると思いがちだがそれを知った人間がもし逆上してしまった時、一番恐れていたことが起こるのである。それが欧米では血肉を争う展開になることだって十分有り得るのだ。
 これはコトバを巧みに使った策略の例だが、最近でもまだ問題になっているパレスチナ問題とは第一次世界大戦の時にイギリスの行った政策である言葉に、アラブ人とユダヤ人が頭から信じてしまったことにある。イギリスは両民族にエルサレムという土地を徴兵と引き換えに与えるという協定を結んだことによって起こったことだが、これはアラブとユダヤが喉から手が出る程望んでいたということをふまえた策略の精巧さと同時に、英国の裏が読めなかったことにも原因がある。それから延々100年弱続いてしまっているのだ。これが人々の恐れる最悪の結果であると言える。
 次に日本語の美とされている建前という部分が欧米人には理解されにくいことである。日本人が普段本音の何%を言葉として外に排出しているかという統計の結果は平均47%とも言われている。この低い数値が、対極的な欧米に理解されない理由を物語っているだろう。
 私が最近読んだ『Domo Domo Paradise』という本は、中身こそ英語で記されているものの「ここがおかしい日本人」というキャッチフレーズで書かれている。英語圏でないアルゼンチン出身のファン=ボルガ氏が英語で書いているのもまた面白く、日本人が「どうも」という曖昧な言葉を謝罪や相槌など色々な場面で使用できるのが理解できないという外国人が、その言葉を覚えても中々上手く使いこなせないというコラムから始まる。そこから日本での理解し難い体験などを苦労とともに綴ってあるのだ。ここからも外国人から見た私達の不可解な言動が見える。
 確かに、そういう表現を使うことは何千年も海に囲まれた同じ大陸で生活してきた文化はとても気楽で、お互いの意思疎通が比較的簡単という利点がある。しかし、それでは科学分野などに障害が出る可能性もある上に、何より国際社会で軽く見られてしまう。その傾向を打破するためにはやはりはっきりと物を言う習慣をつけるべきだろう。言葉とは伝達するだけでなく、理解されることが大事である。

   講評   nane

 これはこれまでの最高得点だったね。
 実例の幅が広く具体的な点がよかった。
 日本では言葉の正確さというものをあまり意識しない。大体、呼吸で相手の意図がわかるようなところがあるからね。しかし、異文化に属する人と対話するときには、厳密な言葉を使う必要がある。パレスチナ問題などは、イギリスの二枚舌が原因だったけど、日常的にはお互いに善意でわかった気になって誤解を招くことがある。世界史の勉強をうまく生かした。
 本音の47%というデータはよく見つけた。(笑)こういうデータを使うと、説得力が増す。
 Domo Domo Paradiseは、英語の問題の文章だね。日本では普通に使われている「どうも」も、日本以外の人にとっては不思議な表現なのだろうね。
 反対理解はよく考えた。意見文は、自分の意見を主張することが中心になりがちなので、どうしても一方的な書き方になりやすい。結びの段落で、反対意見に対しても十分考慮しておくと、信頼度が深まる。
 今回は難しい漢字もよく使った。


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