低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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ものは大切に! ピプリー
(題名の工夫)ものは大切に!
「すてようと思っていたものをすてないで、実けんしてみると、役立つ時があるんだねえ。
いろいろとやってみないとわからないもんね。うちだって、もうこれは使えないなあと
思ってすてようとしたものを、史帆に何かに役に立つかもしれないからすてないで、と
言われて、すてずにおいておいたら役に立ったことがあったね。ものがあふれていると
かたづかなくてこまるけど、いいこともあるね。」
と、お母さんが、わたしが長文を読み終わった後、私のほうを向いてつぶやきました。そこで、わたしが、
「うん、そうだったね。物がすてられそうになると、何かに役立つかなあ、と思ってすて
ないで、っていうんだよ。また、そういうことあんまりないといいんだけどなあ。なる
べく物をすてたくないし。」
と、答えました。
わたしの学校では、冬にお茶うがいをします。学校でするうがいには、緑茶か紅茶がいいそうです。先生が、
「わざわざうがいのために新しいお茶をいれなくてもいいですよ。だしがらでじゅうぶん
こうかがあります。それから、うがいした後のお茶は、そのまま飲んでいいんですよ。
のどのさっきんになります。」
と、教えてくれました。だしがらでもこうかがあるなんて、はじめて知りました。すててもいいはずなのにまだ使えるなんて、まるでパストゥールがワクチンを発見した時のばいようえきです。うがいをした後のお茶を飲むのはちょっと気持ち悪いけど、わたしは飲むようにしています。みんなは前は飲んでいたけれど、今は出している人が多いです。なぜかはわからないけれど、わたしはかぜをひいてもあまりひどくならないけれど、みんなは前よりかぜをひきやすくなっているような気がします。
私の組では必ず一日に三回はうがいをしないといけません。あと、お茶うがいができるようにカードを作って、できたら色をぬるカードを高学年の人たちが作ります。それで、全部ぬりたいからやる人が多いのです。中には、ちゃんとやっていないのに色だけぬる人もいます。うがいをするのは大体、じゅぎょうが終わってあまりすっきりしない時、中休みの後、そうじのあとです。体育のある日は、じゅぎょうのあとにします。わたしは決まった時間にしていますが、来ない人もいて、かぜをひかないか心配です。今年はインフルエンザがはやるかもしれないとテレビで言っていたので、よぼうせっしゅをするはずでした。でも、お母さんがよぼうせっしゅの予約の電話をしてみたらワクチンはもうなくなっていて、受けることはできませんでした。
「来年はちゃんと受けられるように、早めに予約しなくちゃ。」
と、お母さんが言っていました。緑茶や紅茶はワクチンほどはきかないかもしれないけれど、これからもきちんとうがいをしたいと思います。
パストゥールが新しいよぼうせっしゅを発見したのは、長い間にやしなわれた直感と、知しきとそれにぐうぜんに味方されてだということがわかりました。私もパストゥールみたいに物をむだにしないで、いっしょうけんめい勉強したいと思います。
講評 yuta
一度はすてようとした培養液を、思いなおしてためしに注射してみたところが、運命の分かれ道だったね。
◆ピプリーさんは、ものをすてるときに「何かの役に立つかもしれないからすてないで」と言って、とっておいてもらうことがあるんだね。そして、それが役に立ったことがあったんだ。すててしまったらそれでおしまいだものね。じっさいにどんな物がどんなふうに役に立ったのか、紹介(しょうかい)できるとさらにいいですね。
◆お茶うがいのおかげか、ピプリーさんはこの冬も元気いっぱいだね。だしがらでもいいとは、まさに「すてる前にもう一働き」です。むだがないね。
◆クラス全員がまじめにうがいをしてカゼ予防できるといいね。今年はインフルエンザのワクチンが足りなかったんだ。パストゥールの発見した予防方法が今の私たちをさまざまな病気から守っているんだね。
◆『パストゥールみたいに物をむだにしないで、いっしょうけんめい勉強したい』。すばらしい! きっといろいろなアイデアがピプリーさんの人生を楽しいものにしてくれると思いますよ。
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