創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
私の夕食 えとわ
「鬼は外、福は内。」
と鬼のお面をかぶった私は、祖父母と豆まきをした。今年もよい年になりますようにと、年の数だけ豆を食べた。この日の夕食は、太巻き寿司だった。南南東を向いて、まるでおなかをすかせたおおかみのように太巻き寿司をほおばって食べた。おいしくてぺろっと1本たいらげた。
「よく食べられたね。」
と祖父が驚いて言った。祖母に、
「いわしも食べてね。」
とすすめられたが、
「おなかいっぱいで食べられない。」
と断った。
午後7時になると、仕事を終えた父が祖父母宅に迎えに来てくれて、自宅に帰った。母も、ちょうど帰ってきたので、役者がそろった。我が家の豆まきの始まりだ。鬼の面はいつも父がかぶる役だ。豆まきが一通り終わると、母は豆の数も数えないでばくばく食べていた。本当は、年の数だけ食べるはずだが、たぶん、おなかがすいていたのだと思う。我が家の夕食もなんと太巻き寿司だった。この太巻きは、最初から切ってあって、ちょうちょや花のもようになっていた。まるで、お花畑のようなお寿司だ。母に、
「すてきなお寿司でしょ。食べる?」
と聞かれたが、
「もう無理、おばあちゃん家で食べてきたから。」
と言って、太巻き寿司から逃れるように、ピアノの練習を始めた。両親は、私のピアノの練習を聞きながら、太巻き寿司を食べていた。母が、
「まるで、ディナーショーみたいだわ。」
とにこにこしながら言った。私も気分がよかった。
私の平日の夕食は、いつも午後6時頃だ。祖父母と一緒に食べる。両親と一緒ではない。なぜなら、両親は、午後7時頃に仕事から帰ってくるからである。でも、土、日曜日は、両親と一緒だ。この前の土曜日は、外食をした。外食では、コース料理を注文した。2人分しか頼まない。母と私で、1人分で十分だからである。テーブルの上には、フォークヤスプーン、ナイフがテーブルナプキンの両脇におかれ、一輪ざしの花びんにきれいな花が生けられ、ガラスカップの中にろうそくの火がともり、室内はあまり明るくなく、母に言わせると、ロマンチックなムードの店だった。窓の外は、日本庭園がながめられる。こんな素敵な店で、前菜、中菜、肉料理、パン、うどん、デザート、紅茶といただいた。父は、ワインを飲んで上機嫌だった。母は、運転をするので、お酒は飲まない。というより飲めない母である。こんなにおいしい料理を食べられるのも、両親のおかげだ。母は、最近、仕事をやめたいと弱音をはいているので、私のためにも、がんばってもらいたいと思い、応援している。
また、別のレストランに行ったときのことである。会計が終わり、応募券を渡された。私は、私の名前や住所などを記入して応募箱に入れた。当たるはずがないと思っていたのに、数日後、キャンピングテーブルチェアーが当たり、びっくりした。この店では、東京サマーランドのチケットも当たった。また、当たるといいなと思うようになった。
両親は共稼ぎだから、平日の夕食は一緒に食べられないが、朝食はみんなそろって食べている。朝は、家族一緒でも、とてもあわただしいので、ゆっくり話している暇などない。私が7時まで夕食を待てるようになれば、そろって夕食を食べることができるが、祖父母と一緒の夕食も楽しいので、今は満足である。
講評 sugi
この作文を書いてみて、朋代ちゃんは、あらためて家族でとる食事の大切さ、みんなで食べる幸せを感じたのではないかな。同じものを食べても、一人で食べるのと、みんなで食べるのとでは、味までちがうような気がするね。
3.1週は進級テスト。どんなことを書くか考えておいてね。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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