創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本語をしゃべりこなす   うさぴょん

 スイスはジュネーブに生まれた言語学者のソシュールは「近代言語学の祖」と呼ばれ、言語の起源や歴史が言葉を成り立たせているのではないという考えを持っていた。とても難しく感じるが簡単なことなのだ。要するに、言葉というものは起源や歴史——成り立ちで構成されているわけではないということである。これでもまだ分かりづらいかもしれない。ということで、端的にいってしまえば言葉は起源や歴史に関係なく、初めから存在していたモノに名前をつけた瞬間からその言葉の歴史が始まるということなのである。
例えばの話をしてみよう。一般的に私たちは虹の色を赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色だと言うが、イギリスやフランスの市民には6色だと言われるし、ドイツでは5色だと言われている。さらに古くの日本では5色だとされていたし、同じ日本でも沖縄の方は明暗に分ける2色とされていたことがあった。かつての沖縄のように明るい色と暗い色の2色に分けるという民族は今でもあるそうだ。このように、同じモノを見ても感じ方が違う。とすれば、虹の色につける名前も変わってくるのだ。過去にタイムスリップしてたずねてみれば、虹には2色欠けていて、欠けた2色について聞いてみれば「なんですか、それ?」状態になるのである。存在しない言葉は使えないし、同じ言葉でも複数の意味があって指しているものが違えば、話も変わってくるのだ。
その「複数の意味を持つ言葉」の代表的なものが「あれ」「そこ」などという代名詞なのである。私はよく
「あれとって!!」
「それどうするー?」
などと喋ったり話しかけたりするが、相手には9割方(笑)通じる。これは相手も同じことを考えている、あるいは同じ意味を持つ言葉になっているからなのだ。今「あれ」というのは「醤油」で、「それ」というのは「社会のグループ課題」だが、次の瞬間になればまた一変する。「あれ」は「体操着袋」、「それ」は「部活の実験」。こんな風に時と場合、ケースバイケースでうつっていく。しかし、これでは勘違いや誤解が起こりうる。また、そのような問題が起こるのを防ぐためにも、言葉の意味を正確に捉えることが必要だ。この誤解が起こるというケースが第一の理由である。
 第二に話が曖昧になる。日本語は話の焦点をぼやかすのがとても得意なのだ。
外国人には
「もっと本音で話しなさい!」
と叱られるぐらいに。また、事件があったときの記者会見などもそうだ。
だがしかし、日本語でキッカリ、カッチリ話しをすることに悪い点も少なくない気がしてならない。普段話している言葉をみな数式や元素記号のように型にはまったものにしていたら、まず面白みが無くなる。また、メールやおしゃべりをしていても話せなくなる。分かりやすい会話を目指していたというのに、コミュニケーションがとれなくなってしまうのではないだろうか。ということは、日本語の持っている柔らかさや曖昧さも欠かせないのだろう。
 だから、意味を正しく理解し、用法用途をしっかり守って、日本語特有の柔らかさを生かして話していく、あるいは書いていくことが必要とされる。また、誤解されるところを逆手にとって、冗談を言ってみたり言葉遊びをしてみたりするのもいいかもしれない。言語の欠点をも逆転の発想に使いながら、うまくしゃべりこなすことが大切だ。

   講評   nara

 この前説明した「総合化」ということは、覚えておいてね。映画の感想も、時間があればぜひ聞かせて!

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