国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   伝統と文化   opera

  伝統と文化
                                  opera    
 「チョキチョキチョキチョキ」
「うわー!これ、怖くない?このお面。」
「えっ、そうかな?櫻のは、可愛すぎだよー!」
「うそー!」
 節分。この行事は、私の楽しみの一つである。本当は、自分の中にいる悪い鬼を退治することが目的なのだが、私はつい鬼のお面づくりや、落花生を自分の歳の数だけ食べる、などということを連想してしまう。しかし、昔の節分は自分の中の悪い鬼を退治するわけではなかったらしい。節分は立春の前日である。中国では、季節の移り変わり、すなわち立春、立夏、立秋、立冬、の前日には悪い霊が皆にとりつくと考えられていた。このことから、立春の前日には、霊を追い出すために、柊の枝に鰯のあたまを刺したものを戸口に立てたり、いった豆をまく習慣があるのだ。これを知って驚いたことは、落花生ではなく、いった大豆をまくことだった。第一印象は、イヤだ!だった。理由はもちろん、おいしさだ。わたしが思うに、いった大豆の方が、落花生より好き、と言う人はいないだろう。私も落花生の方が大好きだし、もし、節分に食べる豆が落花生ではなく、いった大豆だったら、楽しみのはずの節分が楽しみでなくなってしまうだろう。これからも、やっぱり節分は落花生でいきたい、私は確信した。
 クラスで豆まきをした時、ちょっとしたブームが起こった。そのブームとは、以外と難しくて、おもしろおかしい。口で説明してもおもしろさには欠けてしまうのだが、見ていると・・・一言で説明するなら「落花生ぶら下げ唇」だ。文字通り、唇に落花生をぶら下げる、という遊び(?)だ。やり方は簡単、落花生に少しひびをいれて、唇にはさむのだ。痛そうだがやってみると、それほど痛くはない。「落花生ぶら下げ唇」のブームを起こした綾子ちゃんは、唇に十個も落花生をぶら下げていた。
「綾子ちゃん、すごすぎだよ!痛くないの〜?」
私が黄色い声を出した。綾子ちゃんがしゃべると、まるで唇の落花生たちが笑っているように揺れた。
「ぜ〜んぜん!はっはっは!」
 節分が終わると、桃の節句、つまりひな祭りがやってくる。娘二人のわが家では、毎年、
ひな人形を飾る。
「節分が終わってから、ひな人形を飾るのよ。」
と毎年のように言っていた母だが、今年は、
「面倒だねー。別に、飾らなくていいかー。」
と笑い、私まで異議を唱えるどころか、賛成してしまった。
「そうだねー!今年は飾らなくていいね。」
しかし、妹の櫻は笑わなかった。
「えっ!毎年飾ってたのに?」
妹が残念そうにうつむいたが、私は無視した。そして、今日は二月二十五日。節分が終わってもう何日もたつが、いつもだったら、ひな人形を飾っているはずのリビングには、まだひな人形は現れていない。私は、なぜか櫻のつぶやいたひとことが、頭に引っかかった。ひな人形を飾っていない今のままで、果たしていいのだろうか・・・?
 節分と桃の節句。この二つに、何か関連していることはないだろうか。ある。これが私の答えだ。私のあげるこの二つの行事の関連性は、たったの一つ。それは、どちらの行事も日本独自の伝統と文化であること、だ。伝統と文化。これほど深くつながりあい、関連しているものは他にはないのではないのではないだろうか。もちろん、節分と桃の節句は重要な文化財であり、日本独自の大切にまもっていかなければならない伝統である。私は、自問自答した。ひな人形を飾らないと決めた会話とその行動は、伝統と文化を大切にしているといえるのだろうか、と。私はつぶやいた。
「だめじゃん。」
私は伝統と文化を大切にしていなかった。なぜなら、ひな人形を飾らないと決めてしまったからだ。このまま、私のように面倒だから・・・と言う理由でひな人形を飾らない人がどんどん増えたらどうなるだろう。たぶん、桃の節句という行事は、だんだんとみんなの記憶から消え去って行くだろう。そうしたら、桃の節句という大切な行事一つがなくなってしまうのだ。これは、単なる「楽しみ」が一つ減るだけでなく、今まで長い間受けつがれてきた行事がなくなってしまう・・・と言うことだ。
「温故知新」このことわざの通り、古いものを大切にし、よく知らなければ、いくら新しいものを作ろうとしても、よいものは作れないのである。
 「やったー!!できあがったよー。」
「うん。私も。」
「豆まきしに行こう!お面をかぶって!」
私たちは、自分たちで作ったお面をかぶった。何だかちょっと変な感じがした。そして思った。節分ってイイナって・・・。


   講評   kuri

 初めてのパソコン書きの感想は、いかがでしたか。よく頑張って書きましたね。字数も1909字は、立派です。評価もとてもよい点がつきました。これを励みにまた作文を書いていきましょう。
 オペラちゃんの家では、落花生を撒くのですね。先生の家では、オペラちゃんが作文に書いていたように、炒った大豆を撒きます。確かに落花生の方がおいしいけれど、お年頃になって、年の数だけ落花生を食べると、ニキビが増えるかもしれませんね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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