創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   あそびと勉強   

 学童のあそびには多くの想像力や抽象想像力がはいってくるからきわめて多彩なものになる。しかし、同じこころの世界に遊んだ者同士として、幼な友だちの味は一生忘れられないものとなる。おそらくそれはのちの交友、恋愛、結婚などという対人関係の基盤をつくる力を持っているのだろう。あそびを通して社会的ルールを守ること、そのために他人と協力することなどの社会性が育つということからだけでもあそびの重要性がわかる。さらに、あそびの中で想像性がゆたかに発揮されると創造的活動にまでつながる。のちに作家になるほどの人間でなくとも、学童期は空想の世界が花ひらく時代である。それは審美的感情の発達ときわめて密接に結びついている。子どもの多くが詩人的素質を示すのも、彼らの新鮮な感受性と、奔放な空想力が発達するからであろう。
 確かに、子ども時代にあそびから得られるものは大切だ。僕は小学生のときカードを買って集めていた。それでもなかなか手に入らないカードは友だちと交換して集めていた。交換するときには、一枚と一枚を交換することも多いが、価値の高いカードなら一枚に対して数枚のカードを相手のカードの価値と合うように交換していた。それにはちゃんとしたルールがあるわけではないのだが、暗黙のルールのようなものがあって、双方の利害関係が合ったときに「取り引き」が成立するのである。そこで子どもたちは納得のいく取り引きをすることを学ぶ。その狂ったように集めていたカードも、今では部屋の隅に眠っている。また、友だちと何をして遊ぶかを決めるときにもいろいろな意見が出てくる。そのとき、みんなが自分の意見を通そうとしたら決まらないので、じゃんけんや譲り合ったりして誰かの意見が採用される。他の人は決まったものは仕方がないと、あきらめるしかないのだが、そこで我慢するということを覚えていくのだろう。
 しかし、勉強として自分に強いることも大切だ。昔話の一寸法師もきっと都に出てから一生懸命勉強したのだろう。だからこそ、小さい体を活かして鬼の目をついたり、口の中に入ってつついたりして大きな鬼を倒すことができたのだろう。僕の中学校では、ゆとり教育のせいなのか休み時間に片付けられるぐらいの宿題しかない。僕が学校以外でする勉強といえば塾しかないが、その塾も宿題がないことで有名なので、日ごろ僕が家で勉強をしているところをほとんど見ていない母は心配している。今年は三年生で受験なので、もうちょっとがんばって勉強しなければと思っている。
 確かに子どもがあそびから得るものも、勉強をすることで得られるものも大切だ。小学生のときは小学生の、中学生のときは中学生の、あそび方や勉強の仕方があると思う。「子供は大人を小さくしたものではなく、それ独自の価値を持っている。」という名言があるように、大切なことはそのときにしかできないことをやっておくことではないだろうか。<<総合化>>

   講評   kira

 周くん、こんにちは。子供たちは遊びながらその自分たちの共同体の中で何かを身に付けていく、それを見守る大人の社会がある。そういったあたりまえの機能が失われてしまったのが、今の日本だそうですね。「国家の品格」という作品が話題になっています。「ならぬことはならぬ」という武士道精神を失って、安易な合理主義に走ったと筆者は分析しています。
 周くんも、カードゲームをするなかで、子ども社会のルールによって鍛えられたんだね。「取り引き」の力は大切だと思います。言葉のイメージはなんだか駆け引きめいていますが、人と人の付き合い方の力でもありますね。友だちをつくる力は必要です。子供たちが安全に自由に広場のようなところで遊ぶ機会が、現代の日本ではなくなってきました。同時に、大切な学びの場がなくなったことになるのですね。
 しかし、そういった自由で想像力豊かであるだけでは足りないものもあります。辛い事に打ち克つ精神力や、豊かな知識です。一寸法師が都と言う広い世界に出て、立身出世を夢見て努力していったように、常に向上をするべく厳しく努力する事でこそ、自分の土台ができていきますね。
 ゆとり教育の次なる秘策は「ことばの力」だそうですね。要約する力や古典の暗唱、数学では現象の読み取りなどに力を入れていくのだそうです。そのためには、子供時代は子供の世界であそびを体験しておく必要がありそうです。タイミングをとらえた、いい成長が力を伸ばしていくのですね。
     

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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