低学年から学力の基礎を作る
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   跳び箱は気持ち   ミカン

 「ゴンッ」
鈍い音が体育館にひびいた。(ああ、またぶつけた。)何度やっても跳び箱にお尻が当たってしまいうまくいかない。
 今、体育の授業では、跳び箱の開脚とびをやっている。大抵の人は、ちゃんと飛べている上手な人は七段も跳んでいるのに、ぼくは五段ですら飛べないでいる。跳べていないのはぼくのほかに、四人くらいしかいない。その四人も、ほとんどがあと少しでできそうな人ばかりだ。一方ぼくは、跳び箱の上に乗るか、お尻がかすってしまうのどちらかなのだ。成功まではぼくが一番遠そうだ。うまくできないので、もっと練習していたいと思っていると、先生が、
「今日の昼休みに跳べない人のための特訓をします。練習したい人は着てください。」
と言った。
(やった、練習できるぞ)とぼくは給食の後、急いで体育館に行った。体育館には、ぼくのほかに、飛べそうで飛べない三人が来ていた。
 まずは跳び箱の用意だ。四人で協力して授業のように跳び箱やマットを用意した。しかし先生は、
「まずは三段にして。」
とすごいことを言った。ぼくは、(さすがに三段は低いんじゃないの。)と思った。他のみんなもそう思ったに違いない。でも、言われたとおりに跳び箱を低くした。
「飛ぶときは手が跳び箱から出るくらいの気持ちで遠くにおいて、足もマットを目ざすつもりで。」
と先生が言った。
 ぼくが一番最初だ。(なるべく遠くを目指して)と思いながら跳び箱に手をついた。手は、跳び箱の奥のほうにうまく置けた。以外と簡単に飛べた。先生は、
「そうそう!その感じ。」
と誉めてくれたがぼくは、まぐれかもしれないと思い、もう一回やってみたら、うまく飛べた。みんなも同じようにうまく飛べていた。そんな感じでその日は、五段まで飛べた。全部成功したので、なんだか夢みたいだった。
 次の日も、不安な人はやってもいいと言われ、昨日は練習に来なかった友だちもいっしょに練習をした。その友だちは、みんなでこつを教えたら、すぐ飛べるようになった。一回で跳べたので、みんなで肩をたたいたりして誉めた。ぼくは、
「そうそう、そんな感じ!」
と言った。
 ぼくは、二・三年の頃、セントラルの体操で、跳び箱をやっていた。その頃も開脚とびはできなかったが、そのかわりに、跳び箱の上で前転をする技はできた。その技は、手をつく場所が難しかったので、初めのうちはあまり成功していなかった。しかし、ある日のことだった。(うまく行きますように。)と念じながらやっていると、なんと、踏み切りから終わりまで、何一つ問題なくできたのだ。その日を境にしてその技はいつも成功するようになった。
 ぼくは、今回跳び箱の練習をしていて、できるかどうかは、自分の気持ち次第。つまり気合が大事なのだということがわかった。でも、一回成功したからと言って満足してはいけない。その感覚を忘れないように何度も繰り返すのだ。『勝ってかぶとの緒をしめよ』だ。
「やったー。七段もとべたー。」もうぶつかる音はしない。

   講評   yuta

 3月です。学年のまとめをする月ですね。6年生の人は小学校生活のしめくくりでもあります。
 たくさんの思い出に、ひとつひとつ感謝をしていきましょう。そのすべてが新しい学年にのぞむみなさんを後押ししてくれるはずです。
 終わりよければすべてよし。残り1か月をしっかりと過ごしましょう。
       

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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