創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   清書   えにほ

      北米の和太鼓はパーフォーミングアートと云う感覚から始まる。和太鼓に熱中していた時の事だが、 所属していたグループの舞台から観客を「圧倒さしてやるぞ」、と言う意気込みには違和感を感じていた。日本の太鼓は夏祭りや生活の中に自然と入っていることが接点になっていることに改めて気づかされた時、やっぱりそこに違和感を感じる理由が有る訳だと納得した。大相撲や歌舞伎、そして、西洋でも十八世紀には、演奏する者と観客との分離がなかった。『作品の鑑賞』と云う制度は、コンサートホールの内装デザインなどに取り組みこまれ、維持されるようになった。近代的な芸術鑑賞と言う概念の意味する物には、演ずる者と観る者との完全な区別がある。まず、客観的な鑑賞物としての『芸術作品』の構築する事から成る。それに反し、素晴らしい自然の太鼓の音を聴いた時、ジーンと感じ、心と体が動く。 その時,演奏者と観客との分離が無くなるのが自然である。それが和太鼓の原点だと云う。そんな自然体の楽しみ方もかえって意外に思う社会環境に成っているのに改めて気づく。一般にリーダーシップにしろ教える立場にしろ、パーフォマンスが尊重されすぎる昨今である。それだからこそ、太鼓の音のように共通項でコミュニーケーションをすることが見直される。誰もがその人なりの参加を体験できる繋がりを持てるような可能性をもったコミュニケーションを忘れないように生きたい。

      そのためには第一に、和太鼓のように自分の自然体へと導いてくれる楽器とつきあうことだ。和太鼓は叩いただけそれだけの音が返ってくる。太鼓の大きさにもよるが、腕だけで打つのではなく、体全体で気をいれて打つことが大切だ。自分の癖が音に出易く、非常に正直すぎる楽器である。どの人の性格もかってに出てしまう楽器なのである。そんな太鼓とつきあっていると自分の思い上がりなどを教えられる。伝統的な和太鼓は一本の木をくりぬいてできている。昔の人は自然の神が宿っていたと思っていた。人間と神聖な自然の繋がりと、人間自体がその自然から出てきたことと云う関係をそのまま音として確かめ,継続して行く伝統だと思う。日本で、そして,世界で注目されている太鼓奏者、林英哲は現代的なビートも取り入れる中で,新しい邦楽を構築することに成功している。だいたい和太鼓はその土地主流産業の労働からくる音楽で、地元の訛りや日頃労働作業から培わられた体の動きと一緒にその土地の太鼓が作られ継続された物である。 

      第二に、太鼓の音のように、家族、友達、同僚の「音」は何なのか、どんなことを言おうとしているのかを聴ける耳を持ちたい。なんでも機能主義で、的確に表現し目的を達成する事が重視される社会だが、5感的な物も忘れずに聞き取れることが大事である。間の感覚、気の合わせ方等、音楽の同じ乗りを感じる事など、和太鼓の世界には言葉を超えたコミュニケーションのやり取りの概念がある。

      確かに、この社会で生きて行くには或る程度のパーフォマンス的な物も身につけて行かなければいけない。しかし、それだけに偏らず、観客、学生等を消極的な存在だけに設定しないで、皆を動かすコミュニケーションの力を身につけたいと思う。「夢が有るから行動するのではなく、行動するから夢が生まれる」という名言が有る様に、自分でそんな機会を作ってみるのも大切であると考える。

   講評   unagi


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