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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   体や感覚で習得する料理   opera

  
   体や感覚で習得する料理                             
opera
 「チーン」
オーブンがまるで中のフンワリ焼けたケーキの匂いを嗅いで、美味しくできたよ!と教えてくれたかのように鳴った。私はハヤブサのようにキッチンへ飛んでいった。
「うわー!。」
と言うが早いが、夢中で匂いを嗅いだ。私は顔をほころばせた。<書き出しの工夫>
 料理。私の作ることのできる料理は、「調理」とも呼べないような、おにぎり、サンドイッチぐらいである。だが、興味はあるのだ。ただ、なかなか調理をする機会がなかったり、そのチャンスを逃したりしているだけなのだ。しかし、一つだけ自分でも「すごい!」と思えるカレーライスを作ったことがある。しかも、野外調理で・・・・
 今から十ヶ月ほど前の五月。私の学校では合宿体験があった。四年生の時も合宿体験はあったのでなんだか慣れているような気がして高を括っていた。
 パチパチと火が楽しそうに燃えている。私も今になってやっと落ち着けて、火の近くに手を当てながら、冷えた体を暖めた。薪を置き、火を熾すだけでも手間取り、グループ内の意見も分かれ悪戦苦闘していた先程までがまるで嘘だったかのように、体も心もホカホカでみんな今か今かと出来上がりを楽しみにしていた。料理はもう中盤にさしかかり峠はこえて、今までのつかれを忘れた。ついさっきまでの私と言えば、デザートのオレンジを切るのはことさら大変で、堅くてなかなか切れないところに、包丁の先端を「ぶちゅっ」とさしこんだところ、オレンジの汁が目に入ってしまい、とても痛かったり、にんじんの皮をむく時指を切ってしまいそうになったりして、今さらのように朝・昼・晩と食事を作っている母の苦労が分かる。テーブルのセッティング。カレーライスのいい匂いを感じながら、皿、フォーク、スプーンなどが並べられていく。そしてとうとう自分たちで苦労して作ったカレーと釜で炊いたご飯が、金の延べ棒を運ぶかのごとく<<たとえ>>に登場したのだ。皿にカレーとご飯を盛りつけることに、少しばかり「変」と言ってもいいほど時間をかける私達。カメラを持ってきて写真を撮りたかった、と少し後悔した。
「いただきまーす!」
美味しい・・・(?)苦労のかいがあったな!ついつい、満足げな表情を浮かべている自分に気付く。カレーには随分灰が入っていたし、ご飯にも焦げがあった。でも、自分達の手で大変な思いをしながら、互いに助け合って作ったという、苦労と協力の美味しさがあった。改めて、母に感謝したい気分になる。そして、思った。たまには言ってあげたい。「ありがとう。」と。
 私は、この野外調理で、母やその他の料理を作ってくれている方々に感謝しなければいけないと思った。又、今のような文明のなかった昔の人々は、私達が四苦八苦してどうにかこなしたあの行程が日課だったのだ。炊飯器もコンロも電子レンジなんかもちろんなかった生活を<<聞いた話、調べた話>>思うと、尊敬の念を抱かざるを得ない。
「習うより慣れよ」<<ことわざ>>
ということわざがある。物事は他人に教えてもらったり習ったりして頭で覚えるよりも、実際に経験を積み、体で覚える方が早く習得できると言う意味だ。だから、料理も同じく、本やインターネットで作り方を調べ暗記するよりも、何度も何度も調理して、体や感覚で覚えた方がより早くより確実に自分のものになると思う。<<わかったこと>>これからは、沢山の料理にチャレンジしていきたい。
 私はジャンプしながら叫んだ。
「ケーキ、美味しくできたみたいだよ。」
その時、ふと感じた。料理、これからも続けたい、と。<<書き出しの結び>>

   講評   kuri

<<第一段落>>書き出しの工夫がよくできましたね。ケーキの焼けた香りは、本当に幸せな気分にしてくれますね。

<<第二段落>>体験実例もよく書けました。皆と協力し合って、作ったカレーは、何にもましておいしく感じただろうと思います。本当にカメラで取っておきたかったですね。きっと皆いい顔をしていたと思いますよ。

<<第三段落>>聞いた話、調べた話もよく書けました。今は便利になったけれど、昔は、火を起こすことから始めなければならなかったのですよね。火加減の調節も大変だったでしょうし、料理することがどれだけ大変だったか、今の私達には、ちょっと想像もつかないものだと思います。

<<第四段落>>ことわざの引用もよくできました。料理は、本当に「習うより慣れよ」ですね。何度も繰り返すことによって、調理の仕方も、手際もよくなってきます。
 書き出し結びもよく書けました。人間が生きていく限り、食べることはやめられません。おいしい物を食べるためにも、どんどんお料理を作ってくださいね。

 おめでとう。全ての項目に二重丸がつきました。進級試験合格です。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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