国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   共同体の良さ   はる

第一段落 要約・意見
 今日では、道徳的共同体をつぶしてきた法的社会が普通の社会となり、国家となっている。しかし、今日、共同体が完全につぶされたわけではない。豪族など大きな共同体はすでにつぶされてしまっているが、依然として最小単位共同体の家族は残っている。そして一方、共同体意識の方は、今も人々の間に行き続けてきている。共同体の本質は感覚であるから、理屈、理論すなわち知よりも情が尊ばれる。しかし、法が現代の社会を動かすものとなっていることを認めざるをえないから、「情に流されまい」とする努力が必要となる。この両社の間を揺れているのが、現代の人間である。例えば共同体の有力者が、明らかに罪を犯し、裁かれる時、その有力者の犯罪の証言を拒否する部下は、法優先の公の立場からは指弾されても、同じ共同体メンバーの立場からは、逆に賞賛を受けることであろう。このように、法的社会と道徳的共同体との関係は、今もってなかなか善悪の判断の難しい問題を抱えているのである。私は、共同体的な生き方をしたい。

第二段落 方法1・体験実例

 そのための方法としては第一に、法律よりも人間を見ることだ。法律とは、いわば国の定めるルールである。学校でいうならば校則と言えよう。私の学校に、F先生という最も校則に厳しい先生がいる。この先生が注意する内容は、主に第一ボタンをしっかり閉めているか、上靴のかかとを踏んでいないか、授業中・放課後に問わず、漫画・飲食をしていないか、など多種多様である。時折、校則をでっち上げているのではないか、と思われる部分も多々ある。擦れ違う間、たった2,3秒のうちに校則に沿っていない箇所を発見していしまう、恐ろしい先生だ。しかし、その先生は規則に反していないかどうかということばかりを見ていて、人間性などはまるで無視する。校則を守ることも大切なことだが、人間性などを見る目は、それ以上に大切なことである。

第三段落 方法2・伝記実例

 また、第二の方法は、法律を執行する人の人間性も必要であるということだ。有名な伝記でこんな話がある。大岡越前守は、自分の子供だと言い争っている二人の母親に、「子供を引っ張って自分の元に引き寄せた方が本当の母である。」と言った。そして二人の母親による子供の引っ張り合いが始まったのだが、なかなか決着がつかなかったため、とうとう引っ張られていた子供が痛みのあまりに泣き出してしまった。それを見た一方の母親が子供の痛がる声に思わず手を放してしまった。彼女が子供の手を放した時、大岡越前守はその放した母親を本当の母と認定した。これと同様に、法律の執行にも人間らしい心が必要だ。

第四段落 反対理解・名言の引用

 確かに、法律に基づかない運営は不明朗なものになることが多い。しかし、『家の批評が出来るのは、建築家ではなくそこに住む人である』という名言があるように、私達はもっと、共同体的な考え方を再評価すべきである。

   講評   tama

第一段落: 長文の内容をしっかり読み取れました。要約はOKです。今なお残されている道徳的共同体のよさについて見直すべきだという意見もいいですね。

第二段落: 法律を校則という身近なものにあてはめた体験実例は、非常にわかりやすく説得力があります。法律ばかり重視していては、信頼関係が築けなくなる場合も出てきそうですね。

第三段落: 法律を執行する人の人間性は特に重要なポイントとなるでしょう。例に挙げた大岡越前守は、その点が非常に優れていたと思われます。人や物事に対する冷静な判断ができたのも、彼の人間性によるものだと言えるでしょう。

第四段落: 確かに公正な判断の基準である法律がないのも問題ですね。しかし名言の通り、今の世の中には共同体的な考え方も必要です。しっかりとした意見で結ぶことができました。

※ 進級テストは合格です。オメデトウ!



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