国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間関係   シュシュ

 韓国人留学生がホームに落ちた日本人を助けようとホームへ飛び降りて、電車にひかれて死亡したという事件があった。その場にはおそらく他にも日本人がたくさんいただろうが、自分も飛び降りてまで助けようとしたのはその韓国人の青年だけであった。「あっ」と思っても、実際の行動へは繋がらなかったのだろう。日本人は、お互いの人間関係の絆をもっと強くしてゆくべきだ。
 そのための方法は第一に、人と人との生身の交流を大切にすることだ。去年の6月に、私は学校の校外学習で2泊3日の旅行に参加した。帰ってきて次の日から普通に学校があったのだが、私はその日学校を休んだ。睡眠も足りていなくてまだ疲れていて、あまり学校へいく気分でなかったからだ。それに「なんとなく」頭が痛いような気もしていた。つまりそれは、ほぼずる休みであった。というわけで、午前中は惰眠を貪り、いいかげんこれ以上寝るのには飽きたというお昼頃に起き、平日が休みのときには恒例の「笑っていいとも」を見ながら朝(昼?)ごはんを食べた。食べ終わってからは、もう暇になっていた。今ちょうど5時間目だから体育だなぁなどと学校のことばかり考えていた。確かに、午前中は思いっきり眠れたし、思い鞄を持って学校へ行き、好きでもない先生の授業をうけずにはいられた。それはとても楽な選択だった。しかし、それはとてもつまらないものでもあった。学校へ行けば、友達がいる。嫌な授業や駅から学校までの急な坂道はあっても、友達と一緒だと、だいたいのことは楽しくなる。「めんどうくさい」という理由で、色々なことから逃げていると本当に面白いことを味わえなくなってしまうということにそのとき気付いた。確かに他人と関わることには、ストレスが伴うと言えるだろう。感情がすれ違ったり、理解しあえないことにうんざりしたりとたくさんの嫌なことがある。しかし、それでも人と関わらなければ得られない楽しみや喜びは、確実にあるのだ。
 第二の方法は、社会の中で子供が自主的に組織する場を大人が用意することだ。管理するのでなく、大人は用意するだけである。自分たちで一つのものを運営してゆく中で、人間関係の摩擦を感じたり、それへの対処方法が身を持ってわかるようになるだろう。江戸時代に、(歴史)「五人組み」という制度があったが、これはお互いに行動を監視しあうことから、必然的に人との関わりを促すことになっただろう。現在五人組みの制度がもしあったとしたら、おそらくひきこもりは一人もいないだろう。
 確かに、自分だけの時間を持つことも大切だ。しかし、人間社会は人と人との関わりでなりたっている。黒人解放運動に従事したキング牧師は、世間に緊張をおこすことを恐れなかった。臭いものには蓋をするのではなく、その臭いを解き放って、皆で根本から解決しようとするやり方だった。飾りや偽者でない、真実の人間関係を求めていたのだろう。私たちは、真実の人間関係を築くためにもっと努力するべきだ。それは決して楽ではないだろうが、やってみる価値があることだ。本当の人間関係とは、一緒にプリクラを撮ったり、いつも一緒にトイレに行ったりすることで築くものではなく、相手と自分を対等に考えることから築かれるものだ。

   講評   nane

 書き出しの実例から意見へのつながりをもう少し書いていってもいいよ。
 第二段落の、人との交流の体験実例はうまい。よく自分を分析して、内面を見つめているね。こういう実例をここまで書けるというのは、文章を書くのが得意だという証拠。この文章は、何年かあとに読んでも懐かしく思い出すと思うよ。
 五人組の例を引用するだけでなく、ひきこもりの話と結びつけたところがいい。地域の交流が盛んであれば、家庭での交流の不足も補われる。これからは、こういうことがもっと必要になってくるだろうね。
 結びの段落も、歯切れいい文章。キング牧師の話もいいし、プリクラの話もいい。文章に切れ味があるのは、シュシュさんの考え方に切れ味があるからだと思うよ。
 試験は見事に合格。おめでとう。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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