創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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消費の問題 藤山(ふじさん)
人は自分のではないものを見るともったいないといいながらそれを拾うが、ある程度使用するとそれを捨てたくなるところがある。人類史をひも解くまでもなくわれわれは、かつて「狩猟採集時代」から「消費遺棄時代」にいたる期間の、どこかの時点で文明が、前に書いた人の性質気づき、それをひそか操作することができれば、人々に「もの」を自由に捨てさせたり拾わせたりすることができるのは道理である。文明が、人々に「もの」を捨てさせなければならなくなった理由は、「産業革命」を経て「大量生産時代」を迎えたのであり、当然ながらその大量に生産された「もの」は、大量に消費されなければならなくなったのである。
私は、物はもっと大切にするべきだと思う。この地球にあるものには限りがある。物を大量に消費し、大量に捨てる状態では、じきに資源枯渇や環境汚染のような問題が起きてくるので持続させていくことが難しい。実際に、石油などのエネルギー源はもうあまり長くは持たない。このままでは大量に消費し、大量に捨てることをあきらめるか、地球で生きていくことをあきらめるかのどちらかを選ばなければならなくなるだろう。よく、テレビで南国の小さな島が地球温暖化の影響でじきに沈んでしまうことや、オゾンホールのことについての番組が流れる。その番組を見て、このことには一刻の猶予も許されないことを感じる。
しかし、現代社会がそれによって成り立っていることも事実である。物を効率よく多く作ることが求められる。そのため技術が発達する。大量消費なしでは現在のような技術の発展は続かずこれ以上発展しないどころか、後退してしまう。うさぎとかめという昔話は、うさぎとかめの競走。常識で考えればうさぎの勝利は間違いなし。でも、油断をしたうさぎが昼寝を している間に、かめは休まずひたすら歩き続け、ついにはうさぎを追い越してうさぎに勝利した。やることをやらないと、どんどん衰退していってしまう。
ものを大切にすることも、大量消費することも、現代社会では大切なことだしかし、この二つは決して一緒になることはない。大切なことは、今のことだけではなく将来のことを考えて行動することだ。今まで栄えてきた文明は数多くある。しかし、栄え続けた文明はひとつもない。いかにしてこの文明を持続させつつ、技術を発展させていくか。人類の英知はこれをどのようにして解決していくのだろうか。これからが勝負の時期だ。
講評 inoko
藤山くん、こんにちは。「もったいない」という言葉が注目されています。その概念が外国語にはないというのは驚きです。しかし、今の日本では、この「もったいない」という言葉は限りなく死語に近い言葉です。地球環境保護のためにリサイクル運動などが盛んになっているとは言っても、それはすべてのことにあてはまるわけではないのです。藤山くんが書いているように、経済発展と技術の進歩をさらに活発にする大量消費ともったいない精神は共存するのは難しい。ならば、どうすればいいのか。これが現代に生きる私たちに課せられた大きな難問の一つでしょう。
☆ この難問を解決する方法として、藤山くんは何か考えついたでしょうか? 適切な実例をあげて意見を展開できているので、最後に藤山君が考える打開策を述べてみるのもおもしろいでしょう。
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