創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   隔たりを変える   うっちー

 今はクラッシックを聴く時には、身なりと姿勢を整えて聞くものだと思われているが、それらの音楽がまだその作曲家達によって演奏されていた頃の演奏会は今では考えられないほど騒然としていたのだ。聴衆は皆思い思いのことをしながら音楽を聞いていたというよりは、音楽を楽しむことが主目的ではなく、社交の場のスパイスとしての役割が音楽には課せられていた。演奏者と聞く人の間に全くの隔たりがなかったわけだが、音楽が芸術として鑑賞されるようになってからは見せる側の人と見る側の人の間に隔たりができるようになった。しかし、一方でそういった演奏者と観客を隔離し続けるだけではなく、1960年代にはこういった風潮に反対して観客までを巻き込んだような音楽も多数誕生した。私はいろいろな場面で隔たりをなくしていくべきだと思う。
 第一の方法は隔たりで分けられている両者がお互いに理解しあって一つのことに取り組む事だ。私の学校の校長は積極的に改革を推進しようとしている。その一つにチャイムの改善がある。私の学校のチャイムは「ブー」というあまり聞かないブザーであるのだが、このブザーを普通のチャイムにしてしまおうと試みているのだ。生徒からすれば、もはや長い間このブザーで授業を受けてきたのに何をいまさらといった感じであるが、近隣の人にしてみれば毎日そして土曜の朝にもなるブザーは気持ちのいいものではないらしく、だいぶ前から改善して欲しいと言われていたそうだ。そこで何かと対立している地元の人のために校長がここで変えてしまおうとしたらしい。確かに私たち生徒は地元に一切金を落とさず、がやがや騒いでしょっちゅう感情的な対立を起こしたりしていて大きな隔たりがあった。今回は直に話し合って決めたことではないが、お互いが理解しあって取り組むべきことに取り組み、少しでも隔たりを縮めることのできた好例ではないかと私は思う。
 また、第二の方法は隔たりが本当に必要かどうかを考えてみる事だ。元寇の際の執権北条時宗は全国の御家人だけではなく、東国の御家人だけでは軍が集まらず困ってしまい、西国の非御家人の力まで借りて元軍を撃退しようとした。そのためには他にも取締りの対象にもなっていた悪党とよばれたアウトローを取り込むなど国を挙げて一致団結できたため、外敵を追い払う事ができたのだ。武士という隔たりの中に閉じこもるだけではなく、その隔たりを積極的に超えていこうとした試みが、13世紀の日本を救ったのだ。(伝記)
 確かに、隔たりを作る事により、隔てられた仲間の中での団結が生まれたり、他の集まりとの競争を生み、互いを切磋琢磨させることができるだろう。しかし、「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である。」という名言のようにすでにある囲いを的確に変えていける力こそこれから求められるのだろう。私は慣習や前例にとらわれず隔たりをなくしていける勇気を持って生きていきたい。

   講評   jun

 字数もたっぷり。森リンでも高得点が出ましたね。

<第一段落>
 長文の内容をわかりやすく端的にまとめることができています。意見を示した部分は、「いろいろな場面で」という表現がやや曖昧なのでもう一工夫できるといいですね。
<第二段落>
 第一の方法に挙げられた実例はよく思いつきましたね。あのブザーの音は、近隣の住民にも迷惑な騒音になっているのですね。でも、それ以前に、生徒にとっても感じのいいものではありませんよね。修道院で使われていたブザーをそのまま使っているという話でしたが……。ブザー一つにしても、学校側と近隣住民との隔たりを広げるか縮めるかの大事なポイントとなるわけですね。
<第三段落>
 第二の方法には、得意の歴史(伝記)実例を挙げることができました。最後の一文がいいですね。
<第四段落>
 反対意見に対する理解を示した部分はよく考えられています。結びの生き方を示した意見もすばらしいです。人間は、狭い枠の中に安住してしまいがちですが、境目を越えて大きく行動していくこともときには必要ですね。

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