国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   感謝していただく   意気陽陽

「おいしいね。ありがとう。」
この言葉は、料理を作った人にとって一番嬉しい言葉だ。
 ぼくの母は、料理を作ることがとても好きで上手だ。無農薬の泥つき野菜を取り寄せて 虫とかくとうしながらぼくたちにおいしい食事を食べさせてくれる。母は台所に立って料理を作っている時は、朝早くでも夜おそくでもとても幸せだと言っている。その母の姿をいつも見ているので、ぼくも料理を作ることに関心を持っている。
 ぼくが今まで作った料理の中で一番思い出に残っているのは、三年生の時、学校の総合学習でした「豆ふ作り」だ。豆ふが出来あがるまでは、大変な苦労があった。
 ぼくたちの豆ふ作りは 「大豆の種をまく」ことから始まった。水をやったり虫を取ったりと大変だった。夏休みの間などは、かれはしないかととても心配だったが、茎はどんどん大きくなっていった。そして秋の初めごろ、根っこを引きぬいた。まだ大豆ではなく緑色をしているので、外において乾かした。茶色くなったころ、収かくをした。虫の食べたあとがあったり、黒くなったり、しぼんでいたりと食べられないものも多かった。重さを計ってみると、豆ふを作るには少なすぎることが分かった。
 ぼくたちはどうしようかと考えた。「家に大豆畑があるので持ってこようか。」と言ってくれる人もいたが、ぼくたちの力だけでどうにかしたかった。しかしどうしようもなかったので、持ってきてもらうことにした。その人は、余るほど持ってきてくれた。
 いよいよ豆ふを作る日になった。まず、大豆を水につけて一晩置いた。次の日、水をふくんで大きくなった大豆をミキサーですりつぶした。液状になった大豆を 今度は煮込んだ。そしてしぼった。すると、おからと豆乳に分かれた。その豆乳に「にがり」を入れ、小さな容器に入れておいた。するとまるでま法のように固まった。ぼくたちのグループはそこまでは成功だった。しかし、容器から豆ふを取り出すのが少し早すぎたのか、出したしゅん間につぶれてしまった。ぼくたちは
「あーっ。」
と声をあげた。とても残念だった。しかし、気を取り直してもう一度、つぶれた豆ふをしん重に容器に入れた。
 昼食の時間が来た。食べてみると、とてつもなく苦かった。まるでにがりそのものを食べているような味がした。みんなはいっせいに顔をしかめた。ぼくは心の中で「まずっ。」と思った。が、今までの苦労を考えて口には出さなかった。その時
「まずっ。」
と誰かが言った。ぼくはショックだった。こんな手間をかけて作った豆ふを「まずっ。」の一言で片付けられてしまったのだ。その後はみんなが
「まずっ。」
と言い出した。ついにはぼくも言ってしまった。しかし、何か納得できなかったので、ぼくは みんなが残した豆ふをすべて食べた。
 この豆ふ作りの経験から分かったことがある。ぼくたちは一から豆ふを作ってみて、いつもの食事がどれだけたくさんの人や生き物の命のおかげでいただけているか、そして作ってくれた人がどれだけ心をこめてくれているかということが本当によく分かった。
 あれからぼくは食事をいただく時、たくさんの人や生き物、そして母に感謝してこう言っている。
「おいしいね。ありがとう。」
と。

   講評   sugi

 「おいしいね。ありがとう。」この一言があったら、作る人はますます愛情をこめて作りたくなるだろうなあ。当たり前のように毎日食べている食事だけれど、あらためて感謝の気持ちを持つことができるきっかけになった豆腐作りは、貴重な体験だったね。
 四月からはいよいよ六年生。小学校生活最後の一年を、充実したすばらしい年にしたいね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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