国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   量と質   こめ

 昔は、何か一つのものを手に入れるためにも苦労をし、手に入れたものは質が悪くても大事に使った。しかし、現在はそういったものが大量にあふれ、むしろ制御しなくてはいけなくなってきている。そういった、量ばかりを中心と考えている社会は問題である。
 その第一の原因としては、量を中心に考える傾向がまだ根強いからだ。物が豊かになったのは、ごく最近のことであり、一昔前までは物が大量にあふれるということはなかった。むしろ、物が足りなくなるという方が多かった。しかし、現在は大量生産や経済成長により、物は大量に作られるようになり、むしろ過剰となっている。そのため、量よりも質を考えなければならなくなっているわけだが、長い間の傾向はなかなか変わらない。実際、私達の生活は、質というものは無視して安くて多いものに頼りがちなのだ。私の場合も、消しゴムを買うときに高いものを買わずに、百円ショップにある4個入りのものを買ってしまう。これから、この傾向を変えていかなくてはならないのだ。
 また、第二の原因としては、近代以降の日本が先進国と言われている国に追いつこうとしたためである。欧米は比較的ゆっくりと経済が成長していった。しかし、日本の場合は急激に経済が成長した。そのため、その成長の流れに人々はついていけなくなり、結局のところ量を中心に考えるままになってしまった。長い間敵がいなかったために羽が退化して飛べなくなったヤンバルクイナは、人間によって突然持ち込まれたマングースや猫によって多く捕食されているが、すぐに飛べるようになるわけではない。このように、自然界にいる生物にも言えることで、急激な環境の変化には、耐えることは難しいのだ。質より量ということわざから量より質ということわざになるということは、すぐにはできないのだ。
 確かに、量がたくさんあることも悪いことではない。しかし、質が悪いものがたくさんあることは、質の良いものが少しあることより良いのではなく、良くないことなのである。質の良いものは、確かに値段が高くなる。しかし、量が多ければよいと言うものではない。量ばかりを中心と考えている社会は問題である。

   講評   kamono

量よりも質、という時代なのに、いまだに量を中心と考えることの問題をうまく論じました。<……長い間の傾向はなかなか変わらない。質というものを無視して安くて多いものに頼りがち……>のあとの<消しゴムを買うときに高いものを買わずに、百円ショップにある四個入りのものを買ってしまう。これから、この傾向を変えていかなくてはならないのだ。>この実例は、まったくぴったりでしたね。第二の原因の段落<……長い間、敵がいなかったために羽が退化して飛べなくなったヤンバルクイナは、人間によって突然、持ち込まれたマングースや猫によって多く捕食されている……>この実例もよかったですね。この二つが効いているから、結びに、説得力を持たせることができましたね。量ではなくて、質こそ大切な時代に来ているというのに、量を中心に考えてしまう傾向にある社会は問題だ、ときれいに締めくくることができました。


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