国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   さようなら田中先生   オカピー

「キーンコーンカーンコーン、キーンコーン」《書き出しの工夫》
算数の時間のチャイムが鳴った。それでも授業は終わらなかった。なぜなら、私のクラスの担任の田村先生が大事な話があると言ったからだ。
「とても大事で、悲しい話があります。」私は(えっ)と、思った。田村先生は続けた。「実は中村先生(算数の先生)は、あなた達が5年生になったらもうこの学校にはいません。と言うことは、3月の24日で、お別れです。」クラスのみんなから猛烈なブーイングが起こった。クラスはまるでサッカーの試合場のようになってしまった。《たとえ》4年1組の前を通りかかった他のクラスの先生が何事かとのぞきこんだほどだ。私もクラスのみんなと同じ気持ちだった。心の中の半分はえっという気持ちで、もう半分はそうなのかと思った。なぜ猛烈なブーイングが起こったかは私もよーく分かる。中村先生は授業の中で「ざぶとん」というのをやっていた。その「ざぶとん」が私たちにとても人気があった。それは問題をやって、その問題の答えが分かったら、手を挙げる。そして、あてられた人のその答えがあってたら、ざぶとんを1枚もらえるというものだ。もちろん本物のざぶとんではないのだが、そのざぶとんが班で12枚集まったら海外旅行にご招待、というのは、冗談で何と中村先生が怖い話をしてくれるのだ。私は1回だけ中村先生の怖い話を聞いたことがある。《体験実例》その怖い話は内臓がないぞうといわれたら本当に内臓がないかと思ってしまうほど《ダジャレ表現》怖かったからここには書けない。それ程怖かったのだ。いつも笑顔でニコニコだった中村先生が笑顔をなくし、固い表情だったのが今でもその恐怖とともに胸に残っている。
 私は何度も別れを経験したことがある。一番私にとって印象に残っているのは、私が家族で外国に住んでいた時のことだ。急にお父さんの仕事の都合で日本に帰ることになった時、仲が良かった友達と別れるのがすごく寂しかった。《体験実例》その友達とまた同じ学校に通うことも、中村先生に「ざぶとん」をもらうことはない。別れは何度経験しても悲しい、寂しいことだということが先生との別れで改めて分かった。《わかったこと》

   講評   kei

 はじめまして。松山景子です。(けい/ペンネームめもま)今月から、どうぞよろしくお願いします。
 はじめてオカピーさんの作文を読ませていただきました。素晴らしいですね。書くべき項目がきちんと書かれていて、そして、自分の想いもしっかりと、表現されています。感心しました。これからが、とても楽しみです。
●書き出しの工夫/教室の雰囲気がしっかりと伝わってきます。
●体験実例/「さぶとん」めったに体験できることではありませんね。オカピーさんたちと田中先生の素敵な思い出です。
●ダジャレ/内蔵がないぞう!わかりやすいね!思わず笑ってしまいます。
●わかったこと/別れがつらいというのは、わかる。しかし、本当に別れを目の前にすると、心が痛んで『改めて』わかるのですね。

素敵な作品でした。春は別れと出会いの季節です。田中先生にもこの作品を読ませてあげたいなぁ、と思いました。




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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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