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　　　化粧品の効果は宣伝効果？（題名の工夫）　　　えほる

一、「角質層の奥からぷるんと弾む潤い肌に！オーシャンコラーゲン使用、ナノ分子より小さいヒアルロン酸が肌の奥まで浸透！」ポスターの女性がにこやかにこちらに微笑んでいる。一点のシミもシワもない、均一に整えられた肌。こんな肌に自分もなれるのかなと疑いつつもつい足を止める。春めいてくると新しい化粧品のキャッチコピーが店頭に張り出される。昔は製品のイメージやパッケージだけで買う物を決めていた。何年も繰り返していると、それではダメだと気づき、だんだんその効果に着目するようになり、商品説明に説得力のあるものを選ぶようになった。それでも、まだ疑問は消えない。いったい化粧品は効果あるのだろうか？宣伝のキャッチコピーに疑問を持ち、慎重に製品を選ぶべきである事はよくわかっている。が、すべての化粧品を試すには相当の予算がいる。では、どうしたら良いであろうか。ここでは基礎化粧品に限って、考えられる方法を二つ上げてみた。（書き出しの工夫、当為）
二、第一の方法としては、一つのメーカーの宣伝文句だけでなく、多くのメーカーの宣伝文句を読んでみることである。宣伝文句は、カタカナ表記を多用し、実態がよく分からないものになっていることが多い。例えば、上の例で、オーシャンコラーゲンを考えてみると、単なる海の生物からとったコラーゲン、単純に言えば、魚の脂身をすりつぶしたものを使用してますよということがわかる。そうすると、ぬると良くなる魔法の薬のように見えた化粧水が、ただの寒天を混ぜた水のように思えてくる。ナノ分子より小さい？！じゃ、血管も通り抜けていくんだ〜怖いな〜と、冷静な目で製品を眺めることができるようになるのである。このように、惑わされやすい宣伝も、多くを比較することによって、事実が見え、冷静に購入することができる。
三．第二の方法としては、化粧品を自分で作ることである。自分で作れば、通常の化粧品に義務づけられている表示成分を使わずに安くできる。やはり市販の化粧品は、未封のままでも売れるまで品質保持できるように、さまざまな成分が入っており、それが肌の負担になることがある。どの成分が自分の肌に合い、合わないのかを見極めるのは難しいし、面倒である。自分で作れば、成分が明瞭であるので、何が合わないかすぐわか
るし、材料も安くて済む。テレビで手作り化粧品として紹介されて以来、有名になった美肌水。私はこれを試してから、乾燥がなくなった。なんといってもオリジナルで加えている、エッセンシャルオイルの香りがいい。市販の化粧品にも同種のエッセンシャルオイルを加えている製品があるが、なぜか香りが良くない。
四．確かに、一つの基礎化粧品を選ぶのにわざわざいろんなメーカーの広告を読むことや、自分で化粧品を作ることは面倒くさい。後者の場合、衛生上の問題もあるし、市販のもののほうが、自分で入手できない成分を配合しているし、技術的にも良いという考えもあるだろう。しかし、一回のショーで何億と稼ぎ、常に新しい化粧品を手にする機会のあるトップモデルのシンディクロフォードでさえも、「（基礎化粧品は）これといっていいものはありません」（名言）と断言している。どんなに美容にお金を掛けていそうな女優でも、衰えていくのは事実である。化粧品は、日常消耗品にすぎず、その価格も安くない。化粧品会社が広告費に使う費用は商品価格の多くの割合を占める。そう考えるとやはり、宣伝に惑わされず、面倒くさがらず、冷静な目で慎重に選ぶべきである。

　　　講評　　　baba

　化粧品という材料をもとに興味深い作文を書きましたね。文章の流れもスムーズでよくまとまっています。
＜第一段落＞
　書き出しは、とある化粧品のキャッチコピー。なかなか興味をそそる書き出しです。当為の主題は「どうしたら良いであろうか」ですが、これだと違う意味になってしまうので、第四段落の「宣伝に惑わされず、面倒くさがらず、冷静な目で慎重に選ぶべきである」をもってくると良かったでしょう。
＜第二段落＞
　方法の一つ目として、商品の比較検討をあげました。有効な提案です。「魚の脂身をすりつぶしたもの」「ナノ分子より小さい？！じゃ、血管も通り抜けていくんだ〜怖いな〜」という表現はユーモアたっぷりで大笑いしてしまいました。
＜第三段落＞
　第二の方法として化粧品を手作りすることをあげました。現代の風潮を視野に入れた提案ですね。コラーゲンやヒアルロン酸などの原液を買って肌につけたり、化粧品の手作りの流行などから、出回っている商品がいかに信頼されていないかが分かりますね。
＜第四段落＞
　反対意見には納得です。たしかにめんどうくさいですね。けれども、化粧品に多くの化学物質が入っていることを知ると、めんどうくさいなんて言っていられません。ファーストフードのポテトフライと手作りのポテトフライを数ヶ月間同じ環境下において観察すると手作りのほうは3日でカビがはえるのに、ファーストフードの食品は数ヶ月たってもカビ一つはえないのだとか。私たちの生活は多くの化学物質に依存しているのですよね。そう考えると手作り化粧品は魅力的です。結びの言葉「宣伝に惑わされず、面倒くさがらず、冷静な目で慎重に選ぶべきである」は名文句ですね。
　名言は「自作名言」ですので、シンディクロフォードの名言を自分なりにアレンジして書くとよりよかったでしょう。