低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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いつから世の中が矛盾を(感) 天才剣士
矛盾の成り立ちとは、昔中国で矛と楯を売っていた男がいてこう言ったという。「この矛はどんな楯でも貫き通す。また、この楯はどんな槍でも防ぎきる。」すると、観衆の中の一人の老人が「では貴方の持っている矛で貴方の楯を突くとどうなる?」と訊いたのだという。確かに、矛と楯を売っていた男の言っていることは間違っている。しかし、矛盾とは、このように悪いものばかりではない。たとえば、劇薬には病気を治すものがたくさんあるが、不用意に扱えば命を落としかねないことがそれに似ている。しかし、悪いほうの矛盾があるために、矛盾は何かと嫌われがちである。そのため、わたし達は論理性へと突っ走る。論理が前提としているのは、一貫性のある連続である。しかし、これは塩の入っていないしるこのように間の抜けたものである。あるていどは矛盾も必要なのだ。
矛盾のいいところは二つある
、一つ目は、矛盾によって面白いことがあるということだ。漫才は、ボケをする人が矛盾したことや、おかしなことを言うからこそ成り立つのである。漫才のコンビが二人とも理路整然としたことを言っていたらなにもおもしろくない。二つ目は一見矛盾しているように見えて理にかなったことであることだ。格言に「鋭いナイフほど安全だ
」というものがある。これは、おそらく生半可に切れるナイフだと油断してしまうが、鋭ければ十分に用心して使うということだろう。
確かに、矛盾が無ければそれについて惑わされてしまったり、悩んだりすることは無くなるだろうが
楽しく生きるためや、難しいことを説明したりするためにも、矛盾というものはひつようだ。
講評 siro
納得できる部分の多い、よい感想文ですね。矛盾のよいところ二つは、共に具体例をあげて説明できました。確かに、漫才は「ボケがあるから」成り立っているのですよね。理路整然とした話はおもしろくないのも、実は人間が本能的に矛盾を望んでいるからかもしれません。二つ目の似た話では、「鋭いナイフほど安全だ」という名言が入れられました。名言の解説もよいですよ。最後の「確かに〜だが」という文は読む人を頷かせてくれますね。大変よくできました。
書き出しの「矛盾の由来」は内容はすばらしいので、是非要約と切り離して書いてみましょう。要約(課題文を短くしたものですので、ここに自分の考えや具体例は入れません)の後、矛盾の由来を入れ、「矛盾はよい」という意見にするとすっきりしますね。
▲二行目:どんな槍でも防ぎきる→はどんな矛でも防ぎきる
▲最後から七行目:理にかなったことであることだ→理にかなうものもあるということだ
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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