低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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矛盾は良いもの くろーばー
矛盾には、良いものと悪いものの二種類がある。嫌われるほう、いわゆる矛盾には良いものを除外して考えているようである。同じ平面を反対方向から進んできた二つの同じ力がぶつかれば運動のエネルギーは消滅してしまう、無為無能の状態のことだ。こういう結果を招く矛盾がつまらぬものである事ははっきりしている。しかし、論理性一貫とは裏を返せば同類同質的なものが小さなものも通さぬような接近状態で数珠繋ぎに並んでいることに過ぎないのではないだろうか。芸術は平面論理を嫌い、もしこのような暴れん坊に踏み込まれたら、どんな芸術の花も台無しになってしまう事であろう。私は、矛盾は良いと思う。
私自身が矛盾を良いものとみなす理由は、第一に新たな発見や物の見方が変わることがあるからだ。友達と喋っていた内容についての意見が食い違っていたとしても、そこからお互いの視点を改めて見直すきっかけになる場合が有る。誰かが『私、ペルシャ猫が好きなの』と言ったら他の子も『うちも!』と言うように全部同意してはただの確認になってしまう。例えば二人位『私は三毛猫がいい』と別の意見が加わっても、『確かにそれも良いかも』と思える、新しい発見がありうるのだ。なんとなく皆の意見が固まってあっさり決まるよりは、いくつもの考えを戦わせて決定した結果の方が充実した気分になれる。そして、反対意見への理解をする機会も出来るだろう。
第二の理由は矛盾が無いととにかくつまらないからである。それは、正論ばかりを並べあげていてもちっともユーモアが無いからだ。習い事の先生に『ここはこうやりなさい』と言われその通りにやるのももちろん大切だが、自分なりに工夫して表現したほうが個性的だし、面白みが増えるだろう。面白く理に合わないことを言えばウケも狙えるし、皆からの人気もUP!?(笑)とにかく、明日は天気予報で雨だったから遠足は無いな、より『いや、きっと僕たちの念力で晴れるさ♪』と言ったほうが超楽しくなる。上手—くすべれば完璧な芸人?にもトライ出来そうだし、自分にも刺激がありそうだ(変にすべってしらける刺激は別として^_^;)。
以上二つの理由により、私は矛盾が良いものであると思う。確かに互いに相殺しあう矛盾は悪いものであるが、考え方・理解の仕方によって大きく変わるはずだ。人間は求めている限り迷うものだ、という名言があるように時と場合によって悪いことがあるのであろう。矛盾を頭から悪いものと決め付けているのは過ちだと思う。これから進化し続ける社会には、時々矛盾のようなものがあっても良いと考えた。
講評 kirara
毎回すばらしい作文を書くくろーばーちゃんですが、今回は「完璧」といっていいいほどの出来でしたね。
第一段落の要約で、矛盾には二種類あって、良い矛盾ならば返って必要になる場合もある、という内容を、しっかりとらえることができました。
<<こうせい>>矛盾をよいものだとする二つの理由が、すばらしいです。第二段落で「論理の一貫性のつまらなさ」をあげて、第三段落では長文にも出てくる「芸術」にもふれることができました。(お笑いだって、芸術だよね? )
<<だいざい>>友だちとの会話や天気予報の話などが効果的に書かれています。しかもとてもおもしろいですね。「こんなことが前にあった」という実例を入れると、体験実例としてもっとインパクトが強くなるかな。
<<ひょうげん>>ユーモア表現、名言ともに、くろーばーちゃんらしいものになっています。
<<しゅだい>>二種類の矛盾のうち、良い方だけを認める考え方がはじめから終わりまでしっかりと通っているところがいいですね。「頭から悪いものと決めつけるのは過ち」という表現が心に残りました。
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