国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ミイラ取りにならないで   えとわ

 古代エジプトでは、人工的にミイラを作った。中世から十八世紀のヨーロッパでは、このミイラが<医薬品>としてもてはやされた。たとえばエジプトでは、ピラミッドの奥まではいって、そのままもどれなかった人がたくさんいた。
 私がこの話を読んでいちばん残念に思ったところは、ミイラを見つけて手に入れると、たくさんお金がもうかるということです。お金をもうけるために、エジプトでは、ミイラを取りに行ってそのままもどれなかったり、日本では墓の深い穴に入り込んで出られず死んだ人が多かったりしたというのです。今、日本でも、お金のことで、マンションの耐震偽装問題、ライブドアの問題などいろいろなニュースを聞いています。ことわざは、俳句のようなリズムで覚えやすく、人間の言動を戒める意味もあるような気がしました。
 また、ミイラの粉が、けがをした人や病気の人に飲ませると、とてもききめがあると聞けば、私も試してみたくなったと思います。祖父に飲ませたかったです。病気が治ってほしいと思う気持ちは、誰にだってあると思います。治ると思えば、高価でも買ってしまうと思いました。前に、あるものががんに効くと売られていたけれど、効かないとわかった話を母から聞いたことがあります。たくさんのがんの人がその薬品をだまされて買ったと聞いています。患者の弱いところにつけこんで金儲けをする人がいるということです。
私にも似た話があります。先日、
「お楽しみ会で何をやりたいですか。」
と私は、学級活動の時間に司会をしました。男子のひとりが、
「タイムカプセルをしたいです。」
と言ったので、まず、反対の人の意見を聞きました。
「お楽しみ会の時間内にできるとは思いません。時間が足りないと思います。」
賛成の人の意見が、いろいろ出されました。
「タイムカプセルは、何年後かに開けるのが楽しみだから賛成です。」
「何年後かの自分が今の自分を思い出すことができるから賛成です。」
「お楽しみ会の時間は、タイムカプセルを埋めることにして、入れるものを何にするか前に決めておけばいいと思います。」
結局、反対だった人が、賛成の人の意見を聞いて、
「私は、賛成に変えます。」
となりました。賛成の人を説得しようとしていたのに、逆に説得されてしまったのでした。
 最近、私は、友達から友達の悪口を聞かされることがあります。でも、私は、この話を読んで、悪口は言わない方がいいと友達に忠告して、一緒に悪口を言う仲間にならないようにしようと思いました。ミイラ取りがミイラにならないように。

   講評   sugi

 「人間の言動を戒める意味もある」という言葉にはハッとさせられたよ。お金に目がくらんで犯罪をおかしてしまったり、本当に大切なものを忘れてしまったり……。いつの時代にも、人間にはそういう性質があるから、この古くからのことわざが今でも受け継がれているわけだね。ニュースで報道されている話を例に挙げたところも、社会派のえとわさんらしいなあ。
 ミイラの粉の迷信が、本当に信じられていたなんて、今の私たちから見ると不思議な話だね。しかし、お母さんの話から、現代の人間も、とんでもないものを信じ込んで失敗することがあることが分かるね。……とすると、昔も今も人間はそんなに変わっていないのかな!?
 聞いた話だけでなく、自分自身の体験を入れて、より内容を深めることができました。お楽しみ会の話は、このことわざの意味をそのまま使った「似た話」だね。その直前に書いた内容は、迷信を信じてしまう話。ここのつながりを、もう少し練ってみるといいよ。この段落の頭に、「『ミイラ取りがミイラになる』ということわざは、人を説得しようとして逆に説得されてしまったような場合にも使います。たとえば、こんな話があります。」と入れるだけで、すんなり読みやすくなるね。

初めて挑戦した「三文抜き書き」は、問題なくできたね。これは、高学年になってから要約の練習をするための基礎になります。感想文のときは、「三文抜き書き」が構成の項目になっているので、三文抜き書きのあとに、構成マークを入れておいてね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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