国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
何かを集めるということ アスラン
「レアカードといってもただの印刷物じゃない。そんなの駄目。」
敢え無く却下である。残念だがゲームショップで眺めておくに留まった。TCGのためにぼくはいったいどのくらいのカードを集めたのだろう。TCGとはトレーディングカードゲームの略である。『遊戯王』カードはかなり集めたことになる。珍しくて当たりにくいレアカードが欲しくて一袋5枚入り150円のものにかなりの投資をした。しかしプレミアつきの高額なカードはさすがに親の規制がかかり買って貰えなかった。
だが一時期あんなに収集熱が加熱していたカード集めを最近パッタリとしなくなった。それは友達どうしで流行らなくなったというのもひとつの理由であるが、はっきり言って『遊戯王』カードには飽きたのだ。考えてみると年齢が上がるにつれ興味の対象物が少しずつ変化しているというのもある。トーマスにはじまりポケモンetc。ぼくはペットボトルの蓋に至るまで何かにつけ“シリーズ物”を集めるのが好きである。集める楽しみとは何かと言われてもそれは「あるから集める」その一言につきるのである。
コレクターには大きく分類して2つの特徴がある。1つは“1から10まで揃える”。もうひとつは“レア物を欲しがる”というものだ。ぼくはどうやら前者のタイプのようである。全部集めて眺めているだけで満足なのである。確かに人の持っていない限定○○個というものを手に入れて友達に自慢したいというのもあるが、ひとつのものに固執してこだわりがあるわけでもないのでシリーズで集めるだけで充分なのである。そして収集されたモノたちは可哀想なことにブームが過ぎると箱の中にしまわれすっかり忘れ去られ、何年か後におぉ〜懐かしいとひっぱりだされるので気の毒だとしか言いようがない(笑)。要らないモノは捨ててしまいなさいと言われながらもちゃんと、とっておくと役にたつこともあるのでまさにガラクタながらも「塵も積もれば山となる」ということわざがピッタリである。
日本人は集めるということに関してプレミアとか限定という文字に特に弱いと聞いたことがある。優越感に浸ることができるというのがひとつの理由でそこに高額な支払いをして満足感を得る。商品そのものがすばらしく価値があるというより欲しい人の数に対して品物の数が少ない場合、つまり需要と供給のバランスが崩れたときプレミアが付く場合が多いと思う。入手困難なものを自分だけが持っているところがミソである。人間にとって何かを集めるということは人と違った自分らしさを表現する為のひとつの手段と呼べるかもしれない。
講評 hamura
体験実例を上手に挙げながら、「集める」ということをまとめて仕上げています。よくできました。書き出しも工夫されていて大変読みやすいです。「男子のコレクターもの」について疎い私にも分るように書けたということは、立派です。具体例や値段の提示がよかったのでしょう。また、コレクターの特徴を二つに大別して分析したのも興味深いです。「聞いた話」「調べた話」と同様、自分で仮説を立てて論じるというのは、とても高度な技です。その中でことわざまで入っていてすばらしいです。「とっておいて役に立つ」例を簡単に挙げられるとなおよいです。(懐かしいひとときを味わえる、という点でもいいですね。)
ものの本によると、男子のおもちゃ類は「集める系」(狩猟採集型)が多いそうですが、アスランくんの回りはどうでしょうか?
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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