創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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インターネット資本主義と贈与交換の可能性 おかし
2005年、利用機器や接続機器を問わないインターネット世帯浸透率は80%を超えた。現在、そのインターネット上では資本主義化への力と、贈与交換の世界へ引き戻そうという力が拮抗している。従来、インターネットは贈与交換の世界であった。贈与交換の世界は贈った人間と贈られた人間との信用関係を保つためにモノが交換されるということを前提にしている。それに対し、資本主義にはモノを交換するために信用関係を創り出すという側面があると考えられる。このような状況で起こりうる問題を二つ挙げたい。
一つ目は、情報の有料化に伴う格差社会の進行だ。あらゆる情報を有料化してしまうと、貧困層はその情報を入手するのが困難になる。一方、富裕層は常に新しい情報を入手でき、専門的知識などを得ることが可能になる。情報を有料化すれば、発信元は利益を得られるが、それが社会全体の利益には結びつかない可能性もある。そこで、最低限必要な情報に対しては、有料化を抑制する制度が不可欠であると考える。
二つ目は、匿名性であるために起きるインターネット社会の荒廃である。当初、インターネットは名前というものが重要な役割を果たす信用のネットワークであった。それが現在では、匿名で他人を中傷したり、虚偽の情報を流すという問題が発生している。匿名であれば、責任を持つ必要がないと考えている人々が掲示板などに、数多くの書き込みをしている。
個人の利益と社会の利益が必ずしも一致するとは限らない中では、ある程度個人の権利を規制する必要がある。すべての人が自由に参加できることを前提とするインターネット社会を贈与的世界に引き戻すこと、そして資本主義化への勢いをとめることは困難である。そこで、資本主義と贈与交換、それぞれの利点を適切につなぎ合わせる新しい仕組みを創り出すことが必要であると考える。
講評 nane
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