国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   時間   シュシュ

 我が家の朝の時間は、テレビの時刻によって刻まれている。ゆっくりしたくをしている時間はないので、何分までに朝ご飯を食べ終わらなきゃ、などとデジタル時計の表示を見ながら、分刻みで行動している。現在の多くの日本人は、私と同じような忙しい朝を送っていることだろう。しかし今の社会の、自分の人生の楽しみでなく、時間の流れに縛られて生きることを最優先するところは問題である。
 第一の原因は、日本人が時間に厳しいという社会的な背景にある。先日、京浜東北線がとまり多くの人たちに影響を与えた。止まっちゃったのだからしょうがないじゃんと私は思ったけれど、何人かの人は駅員さんにつめよったりしていた。旅行でイギリスに行ったとき、一度地下鉄がとまったことがあった。しかし、誰も文句をいったり騒いだりせずに、皆たんたんと電車がくるのを待っているだけであった。日本人は、もう少し時間の感覚に鈍くなった方が良いのではないだろうか。
 第二の原因は、日本が高度経済成長を経験したという歴史背景にある。戦後、何もかもを失い、見本として存在していたアメリカなどの西欧諸国に追いつこうと日本人は必死だった。先進国に追いつくために能率の良さを最優先し、さまざまなことがシステム化された。きれいな景色を見つけても、それを飽きるまで見る時間は無かったのだろう。
 確かに、時間に正確であることが、今までの日本の成長を助けてきた。しかし、時間に縛られ、のんびりと楽しみながら生きることが難しい今の日本社会は問題だ。決められた時間で決められたことを遂行できる人間ばかりに価値がおかれていては、世の中はどんどん冷たくさびしいものになっていくだろう。時間とは、はじめからあった絶対的なものではなく、私たちが勝手に作り出したたんなる単位なのだ。

   講評   nane

 身近な状況実例が意外と新鮮。(笑)
 電車が止まって駅員に文句を言う人っているよね。特に日本人に多そう。日本人は、真面目に怒ることが尊いと考えているところがある。もちろん真面目なことはいいことだけど、それと同時に笑って許すということも大事だろうからね。「とまっちゃったのだからしょうがないじゃん」という発想のシュシュさんの方が、健康にずっとよさそう。
 第二の原因は、これからもしばしば使うはず。高度成長の時代の価値観というのは、まだ日本の社会のあちこちに根強く残っている。しかし、だんだん能率優先よりも、人間らしい生活優先のような生き方が増えてくるだろうけどね。
 「時間とは、はじめからあった絶対的なものではなく、私たちが勝手に作り出したたんなる単位なのだ。」は、面白い名言。時間を忘れるような時間をときどき持つことが大事なのかもしれないね。


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