創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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意味のある集団を作り出す方法(題名の工夫) えほる
一.集団は、その内部の対人関係を自己完結するためのメカニズムとして、裏切り者を作り出した。それにより、集団内部を律し、集団に持続的な緊張感を持たせることが可能になる。もちろん、自己完結を目指すような集団は、衰弱している証拠である。(要約)このような裏切り者によって、内部を律するメカニズムは、高い指向性を持っている集団に生じやすい。例えば、オリンピックでの優勝を目標とし、チームワークを必要とする競技では、グループ内の士気を特に高める必要が生じる。そのため裏切り者が出ることは避けられない状態になる。私は、犠牲者を作り出さずに集団を律するべきである。ではそのためにはどうすれば良いであろうか。二つの方法がある。
二.その一つは、集団に柔軟性を持たせることだ。やめたい人は無理に引き留めず、やりたくないことを認めてあげられる事が必要である。学生の時、友人がバスケットボール部に入っていて、やめたくてもやめられない、まるで監獄にいるようだ、といつも嘆いていた。
三.二つ目は、集団のヒエラルキーを作らないことだ。階級制度があると、下の者が上の者に意見を発言しにくくなり、反発や裏切りの火種となりやすい。上下関係が平たくあればあるほど、互いの意思疎通がうまくいき、溝が生まれにくくなるからである。
四.確かに、犠牲者を作り出す方が、簡単で他の人の反応を見るのが面白いからやるのだ、と言う反対意見もあろう。しかし、それではその集団に属している意義が低俗化してしまい、元々の集団設立の目的から離れていくことは確かだ。よって私は、犠牲者や裏切り者を作り出さずに、集団を律するべきである。
講評 baba
難しい課題文でしたが見事に作文を書き上げましたね。
<第一段落>
要約に続けて当為の主題を「犠牲者を作り出さずに集団を律するべき」としました。集団には犠牲者と裏切り者がつきものという課題文の主旨に挑戦するような提案はおもしろいですね。
具体例としてスポーツのチームをあげたところも興味深いです。確かにチームの中には結束して目標にのぞむものと、それを冷ややかに見ている人とにわかれますね。
<第二段落>
方法の一つ目として「集団に柔軟性を持たせること」という方法を挙げました。抽象的な提案ですが、友人の例を挙げていることで、なるほどと理解できます。
<第三段落>
方法の二つ目として「集団のヒエラルキーを作らないこと」を挙げました。上下関係がお互いの意思疎通を妨げるという論は頷けます。
<第四段落>
「犠牲者を作り出す方が、簡単」という反対意見の理解に対して「集団に属している意義が低俗化してしま」うと主張を繰り返しました。うまくまとまっています。
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