低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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言葉の粗さ はっしー
桜前線という言葉があるが、この言葉はいただきかねる。季節感はやはり「梅一輪ほどの」とか「風の音にぞ」といった、微少感覚のものであり、大きく見渡すといったところで、「柳桜をこきまぜて」という程度のものであって、巨視的に、日本列島全体を見下ろすスケールは、どうにも花見のさまではないと思う。私は秋の信州でこのような場面に遭遇したことがある。それは、唐松の葉が自分の重みだけで枝をはなれ、金色の光をひるがえしながら、音もなく地表に降り積むのだ。そしてそれを日記に書こうとして、「からまつの葉が」とだけ書いてたちまち言葉がつかえたものだ。《要約》
私にも似た話がある。それは何度も話しているが中学受験のことである。中学受験ではなんだかんだ言いながらとても勉強していた。(はず・・・・)この中で決めた志望校への思い入れは格別だ。そしてその志望校の合格発表の日。あいにく私は家でゲームをしていた。そして岡三から電話がかかってきて合格を伝えられた。そのときの気持ちは今でも言葉では言い表せない程だった。
私には聞いた話がある、それは骨折の話だ。その友達はサッカーの練習をしていた。(もちろんクラブチームで。)そしてその練習のひとつとして紅白試合をした。その試合でとも立つがドリブルで駆け上がったところ、誰かにスライディングされて足首から骨が折れた。その時友達はムンクの叫びのような声を上げたそうだ。(笑)
私はこの文章を書いてわかったことがある。それは人間が普段使っている言語というものは、決して万能ではなく表せない感情などがあるということだ。このようなことを知ることができたのだから、この不完全な言語をもっと磨きたいと思う。
講評 jun
<第一段落>
要約はうまくまとめていますが、「散り初めのころのある日、枝を離れた花びらを見ていて、これが地面に達するまでのあいだの状態を、ぴたりと表す言葉がないのに気がついた」という点にも触れるとなおよかったと思います。
<第二段落>
まだ記憶に新しい合格発表のときの気持ちについて書いてくれましたね。数年にわたる努力が報われた瞬間のうれしさを表わす言葉はそう簡単には見つかりませんよね。
<第三段落>
第二段落とは対照的な話ですね。あまりの痛さにただ叫び声を上げるしかなかったのですね。「ムンクの叫びのような声」というたとえもおもしろいです。先生は、ムンクの「叫び」を実際に美術館で見たことがありますが、迫力のある絵ですよね。絵なのに声が聞こえてきそうです。
<第四段落>
いいまとめになりました。特に最後がいいです。不完全な言語であっても、さらに磨きをかけたいという前向きな思いでまとめることができました。
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