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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   理想   ルフィ

 人間は、誰しもが内に何かを持っている。しかし、それが自然に出てくるようになるまでには、当然ながら修練などの単純な反復作業がある。次第に、ネットワークは完成され、その行為がすんなりと出てくるようになる。しかし、人はその回路をたどることを続けていると、今度は、その行為自体に飽きてきてしまう。私たち人間は、過去からずっと理想を追い求めてきた。だが、どんな理想を達成したとしても、社会に個々の違いがある限り、飽きが出てきてしまう。このような事実を踏まえると、今後、理想を追い求めることは無駄だ、という風潮が出てくることが予測される。これは、由々しき問題である。
 それを回避するための対策として、問題を自主的なアプローチによって解決する、ということがある。つまり、上から言われたことしかしないのではなく、自らの思考を持って考えた末、行動を取る、ということだ。私が中学に入学して初めての運動会で、ビックウェーブという種目があった。ご存知の方も多いとは思うが、いわゆる十五人十六脚のリレーである。その種目になったということを聞いてすぐに、私たちは自主的に練習を開始した。そのときに、練習に来ない人を説得したり、内部分裂が起こったりと、もちろんお決まりのドラマが起こったわけだが、それはここでは割愛しよう(笑)。何はともあれ、結果は私たちのクラスが見事一位を獲得した。そのとき、クラス全体には、言いようのない「何か」が満ちていた。その「何か」をもう一度味わいたかったからか、その後にあった合唱際でも、「学年で一番よかった。」と音楽の先生に言わせる出来をあげたのである。つまり、自分たちで行動し、理想をつかむことが、達成したものが無駄ではないことを分からせる一番の方法なのである。
 また、別の対策としては、反対意見を取り入れる、ということが挙げられる。これによって、獲得したかのように見える理想が、真の理想ではないことを認識するのである。例えば、現代のような社会は、対戦中から見れば、まさに理想の平和な社会である。しかし、もし該当アンケートで今の社会が理想かどうか、質問してみるとYESと答える人は半分にも満たないだろう。それはなぜだろうか。一つに、この平和が見せかけである、と叫ぶ人がいるからだ。現に、今もどこかで殺人事件がおこり、テレビには拉致問題で苦しむ家族が映されている。それが私たちに今が理想とは程遠く、またそのための努力を惜しんではならないと思わせるのだ。
 確かに、人はある程度努力した後、その理想と思える境地で溺れてみたいと思うものである。しかし、「理想は、達するためではなく、目指すためにある」ことを忘れてはならない。先日、こんなことを考えていた。世界王者になる、と常に吼えている人は、自分がチャンピオンとなったときに次は何を目指すのだろう、と。連覇であろうか。だが、それは非常に保守的な考えで、あまり向上心がない。そう考えると、理想、というのは自分がそこに達せない、という前提ではじめて成り立つ物なのではないだろうか。自分で立てた、絶対に超えられない壁を、自分が越える。もしかしたら怖いことかもしれない。その壁の向こうに行ったとき、自分のアイデンティティは取り残されるかもしれない。それでも・・・私は越える。その先に新たな壁を、見ることができる気がするから。

   講評   kira

 ルフィくん、こんにちは。長文の影響だと思いますが、結論がやや余韻過多になってしまいました。
 真面目な人ほど、出来上がったときの喪失感は大きい。燃え尽き症候群というのも、頑張る受験世代のお子様にはよく起こるそうです。頑張っても頑張っても、それを否定する層があればやがて懐疑的になりますね。
 はたして人々が描く幸福とは一義ではないのでしょうか。多数を幸福にさせる手段はないのでしょうか。自由と平等の民主主義は、よく多数決を用います。多数に合わせることが、正義なんだろうか。そんな迷いがすべて「何をやってもむだ」というあきらめに通じるように思えます。
 「超えられない」と前提する事が大事なんだろうね。ルフィくんの「世界王者になる、と常に吼えている人は、」である格闘技に秀でた兄弟を思ってしまったのですが、彼らは退屈しないのだろうか。
 あまりに平等をうたって、目標すら立てられない社会がおそろしいですね。平和に慣れない気持ちが大切なんだね。


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