創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本語の国際普及に必要なもの   アスラン

 日本語は、いままで日本民族によってしか使われたことのない内輪の言語である。そのため国際普及の度合いが少ない内部の視点だけで作られ外部の視点があまり入ってこなかった。日本語は、外国人によって学ばれ、使われた経験がないために、植木屋を十年も入れなかった庭みたいでめちゃくちゃに枝がのびているという状態であるが、これからはどうやって日本語を刈りこんでいったら、国際普及の日本語になるかということを考えなければならない。 
 外国人にとって日本語とは美しくて面白い言葉である。しかし日本語ほど難しい言語は他にないという。日本語が難解というのは漢字にさまざまな読みがあり文法も著しく変化するからである。またその漢字の音読み訓読みとはまったく関係のない読み方を漢字に当てはめる場合もあるからである。もっとも『海鼠・なまこ』『海豚・イルカ』などの当て字に関しては日本人にとってもクイズを解くようなものであるが・・・。
 また外国人に最も厄介な言語はカタカナ語である。例えば野球で誰かがミスをした時、励ます意味で「ドンマイ!」というがこれは「I don’t mind」からきたもので、本来は「私は(あなたのミスを)気にしません」という意味である。他人を励ますつもりで「気にするなよ」と言いたいのであれば「Never mind」と言うべきなのだそう。また英語の「アバウト」は「約・おおよそ・大体」という副詞だが日本語で「アバウトな奴」というとおおざっぱなという意味の形容動詞になって使い方も変化している。いま日本ではこのカタカナ語が氾濫しそのことが日本語を学ぶ外国人には悩みの種らしいのである。英語の発音からかけ離れ意味が曖昧なうえ元来の英語の意味とは違う意味となり広がってしまっているからである。
 上記のような例はほんの一例にすぎないがもっと日本語を容易に習得できるようにするにはまず辞書から改善していく必要があると思う。カタカナ語に関してはカタカナ語辞典がすでに発売されているので日本人にも安心(笑)。国語辞書に関しては、まずひらがなの配列を完全にマスターしていないと引けないのが難点である。「いかなければなりません」という文節があるとしよう。い行を開いてもそのものズバリは載っていない。日本人ならばいか→行く/なければ/なりません→ならないという単語に分けて辞書を引くことが可能である。しかしそもそもどこで区切って変化させればよいかなど完全に日本語を理解している人を対象に作りあげているという点でそれを理解していない人にはお手上げ状態である。だから外の視点を取り入れた日本語辞典を作るべきだと言っているのだろう。以上のことから考えると日本語の?のところを整備することが大切だということが見えてくる。国際社会において日本語が共通語として世界に浸透していくためには『小の虫を殺して大の虫をいかす』ということわざのように切り捨てサッパリとさせる部分が必要であろう。しかし文学的な表現には美しい言葉がたくさんあるのでこれは別にしておくことも大切だ。また語源の先には必ず文化の背景が見えてくる。その点でも日本語を正しく受け継いで伝える日本人としての努力も必要ではないだろうか。


   講評   hamura

 歯切れのよい明解な感想文です。アスランくんの豊富な知識に基づいた、例がいっぱいの読みやすい文章です。外国人にとっての日本語の難しさ→改善案としての辞書・・・、という展開がしっかりしています。また、本文にもよくそって書けています。ことわざを使った結論部分もしっかりと決まりました。そのあとに問題提起している「文学的な表現」「文化的背景」というのは、大変興味深い話題です。これについては、また、別に例を挙げながら述べていくと、さらにすばらしい感想文にしあがるでしょう。それは一つの論文のようなものとなりそうですね。ただ、制限時間内に仕上げる課題の場合は、残念ですが、ここは割愛して、辞書などによる「日本語の整備」についてまとめて終わった方が無難です。アスランくんほど書ける人にお勧めしたくはないのですが、試験の小論文や記述なら、ここは定型に丸く収めるといいと思います。



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