創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   立ち止まって息をしよう(題名の工夫)   えほる

一.私たちは流れとしての時間から逃れられない。そこで、日常生活において「何もしないでいる」時間を作り出し、それまで「流れ」として連続していた時間を、「積み重ね」として体験し直すことをしている。現代の我々は、この「積み重ねる」時間を意識的に作り出さなければ、酸欠状態に陥ってしまうのである。(要約)「テレビを見ながらぼーっとして何もしなかったよ。」休日、何をしていたかの問いにこんな返事が返ってきた。テレビを見ながら何もしなかったとはおかしな事だ。何もしなかったのでなく、テレビを見ていたのである。このように私たちは常日頃、何もしないと言いつつ、何かをしているのである。何かをしないと不安に駆られるのである。そんなあわただしい生活の中で、私たちは、息抜きの時間を意識して作るべきである。その方法を以下に述べる。
二.第一の方法としては、自分の好きなことや楽しいと思えることに打ち込むことである。もしくは、普段していることやしなくてはいけないことと全く異質のことをやることである。注意すべきなのは、これらのことをするときは、結果を期待しないことである。結果を期待すれば、目的の為に行うことになり、息抜きではなくなるからである。私の場合は、リラックスをしたいときに銭湯や温泉に行く。それでもじっとお風呂につかっていることができず、色々なお風呂に入っては出たりと、やはり忙しく動いてしまう。それでも、お風呂から出たときには、心地よい脱落感に襲われ、まるでクラゲになって海にユラユラ漂っているような気分になれる。(体験)
三.第二の方法としては、成果主義の情報化社会から精神的な満足を重視する社会に変えていくべきである。私たちは、結果を求めてのみ物事を進めてきた。また、携帯電話などの情報端末の発展により、いつでも誰でも連絡が取れるようになった。その結果、自分だけの時間を、他人によって安易に介入されるのが当たり前の社会になっている。社会全体の意識を変える必要があるだろう。
四.確かに、息抜きの時間など非生産的で無駄であるという反対意見もあろう。しかし、人間は、時の流れについて行くためには、一旦立ち止まって、己を振り返る時間が、流れに乗っている時間と同じくらい必要であると思う。息抜きは、人生をさぼっているのではなく、準備期間なのである。よって、私は息抜きの時間を作るべきであると思う。

   講評   baba

「『積み重ねる』時間として体験し直す」ということは意味がとりずらかったかもしれません。けれどしっかり論を構成しているところがさすがだなと思いました。

<第一段落>
 当為の主題は「息抜きの時間を意識して作るべき」と提示しました。日常の些事に流されていると息苦しくなります。流れる時間を積み重ねる時間として体験しなおすとは、自分が生きているということを確認する作業なのかもしれませんね。
 「何かをしないと不安に駆られるのである。」という部分を掘り下げるともっと良かったでしょう。なぜそうなるのか、現代社会と結びつけて考えると論に深みがでますね。

<第二段落>
 方法の一つ目として「自分の好きなことや楽しいと思えることに打ち込むこと」と挙げました。課題文では空白を作るための行為を「趣味としてそれを楽しんでいるのでもない」としています。それに挑戦する形での提案ですが、お風呂の事例で「なるほど」と納得できました。

<第三段落>
 「成果主義の情報化社会から精神的な満足を重視する社会に変えていくべき」ということを方法の第二として挙げました。興味深い提案です。どのように現実化していくかということを考えるともっといいですね。

<第四段落>
 最終段落は名言のオンパレードです。「一旦立ち止まって、己を振り返る時間が、流れに乗っている時間と同じくらい必要であると思う。」という意見には同感! 「息抜きは、人生をさぼっているのではなく、準備期間なのである。」という文言は名言です。



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