低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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高齢化社会の可能性 おかし
2050年、日本人の三人に一人が高齢者になると予測されている。このような人口の高齢化には、平均寿命が延びたことと、出生率が低下したという二つの要因がある。そして、高齢化に伴う日本経済の縮小が懸念されている。よって、今後、高齢化に合った社会・経済の仕組みを創ることが重要である。私たちは、高齢化社会を前向きに捉え、プラス面を生かしていくべきだ。
第一の方法としては、高齢者の経験から多くを学ぼうとすることだ。老人の老は、衰えるという意味の他に、長い経験を積んでいるという意味がある。私はよく祖母から戦争の話を聞いた。戦時中、植物の茎を煮て食べたり、戦火から逃げ惑った話を聞くと、恐ろしい気持ちになった。そして、二度と戦争を繰り返してはならないと思った。戦後60年を超え、戦争経験者も減少していく中、このような話を語り継いでいくことは極めて重要であるように感じる。
第二の方法としては、高齢者が活躍できる場を創出していくことだ。徳島県上勝町は、そのような取り組みに成功した例の一つである。町民の二人に一人が高齢者である。この町に、「つまもの」の生産、販売で、年収1000万を超える高齢者が存在する。高齢者がファックスやパソコンで受注し、裏山に行き、「つまもの」を採ってくる仕組みだ。町の高齢者は生き生きと働いている。
確かに、高齢化社会は、生産年齢人口の占める割合が低くなり、社会保障の負担が増大するというマイナス面はある。しかし、先程の例のように高齢者に適したシステムを構築すれば、自立した高齢者が増加するのではないだろうか。現在は生産年齢が15〜64歳とされているが、この定義の見直しも必要かもしれない。高齢化社会とは、衰退し軟弱な社会ではなく、豊かで実りのある社会である。
講評 nane
今回もよくまとまったね。
第一の「高齢者の経験」は、経済的なことにからませながら書いていくといいかも。第三段落の話が、高齢者の生産活動の話だから、第二段落は消費に与える影響などを書いてもいいのでは。たぶん、高齢化社会の消費は、低成長時代の経済ということもあって、もっと落ち着いた芸術的なものになる可能性がある。江戸時代のゼロ成長社会の経験は、今後の社会の参考になりそう。
第三段落の高齢者の「つまもの」生産の例はよかったね。これから、このように、高齢者や過疎地であることをむしろ生かすような発想が次々と出てきそうだね。
「高齢化社会とは、衰退し軟弱な社会ではなく、豊かで実りのある社会である。」はいい表現。
高齢化に関連して、少子化のプラス面も考えておこう。
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