創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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どこかにひかれる宝物 小海まこと
「なんだ、これ!?」
ぼくの家の倉庫に、古そうなビデオが、コンテナにめいっぱい入って、いくつもおかれている。父によると、それは亡くなったおじいちゃんの物で、NHKの『シルクロード』や、映画を録画したものらしい。ビデオもいまより大型のものだ。ぼくたちが見たら、「なんだこんなもん。」と思うものでも、おじいちゃんにとっては、大事なものなのかも知れない。
ぼくの宝物で、集めている物は、記念コインだ。おじいちゃんや、おじちゃんにもらったり、銀行で交換してもらったりしている。ぼくが生まれる前の、東京オリンピックの記念コインもある。
今、一番たくさん集まっている物は、ピンバッジだ。今から4年前の3月、アメリカのディズニーランドでピンバッジを見つけた。その時、母が
「ピンバッジは、集めている人がいっぱいいるのよ。登山をする人で、自分の登った山のピンバッジを帽子の縁にいっぱいつけている人をよく見かけるし・・・ きっと、小さくて手軽に集められるからでしょうね。いい記念品ね。」
と話してくれた。その時から、ぼくは、「よーし、ぼくも集めてみよう。」と、そのピンバッジを買ったのだ。ピンバッジは、どこへ行っても売っているし、いろいろな所で使われている。だからけっこう手に入るのだ。だが、オリンピックなどの記念に作られた、非売品のピンバッジもある。ぼくは、父の友人のおじさんにもらったのだが、これらはけっこう貴重なものらしい。ちょっとした物でも、『価値』というものはあるのだということを、あらためて感じた。
人間が、好きで集めている物は、大きくても、小さくても、他の人から見たらつまらないような物でも、その人が、好きで集めるからこそ、『価値』が出るのだということが分った。集める物は、「おもしろいな」「これ好きだな」と思ったもの。例えば、ビールのふたでもいい。それを集めると言うことに価値があるのだとぼくは思う。
人間にとって、集めるということは何か、その物にどこかひかれるところがあるのだと思う。好きだから集める。その物がもっと好きになる。これぞまさしく、『はまる』だと思う。
でも、集めても、それがあきてしまう人もいる。だが、その飽きたものを好きになる人もいる。集める世界はどんどん広がってゆく。どんどん集まってくる。でも置き場所がなくならないように。ぼくは、集めた物で、戸棚が埋めつくされていて、開けたら、もう閉められない。(笑)
講評 hota
ピンバッジを集め始めたきっかけの「体験実例」のを書き足して、すごくよくなっていましたね! やはり、自分だけにしか書けない「体験実例」を入れることで、作文はぐっと面白いものになります。
点数の49点は、これはじつは結構いい点数です。この課題でほぼ平均ということですが、これをスタートに、6割7割をめざしてください。6割7割は、なかなか出ないのですけれど。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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