国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   思い出し笑い   うさちゃん

 「アルミカンの上にあるみかん。」
「ださいのください。」
「隣の家に塀ができたんだって。ヘエ〜。」
「また言う、いいかげんにしてよ!ふふっ。」
私の一年生のいとこはダジャレが大好きだ。もちろん私もだけれど。最近学校ではやっている『かいけつゾロリ』のえいきょうだ。さっきから同じネタを五回くらい言っている。会うたびに、新しいネタを仕入れては私に披露してくれる。しかし、少しずつなので、何回も何回も同じネタをくり返すから、おかしくないはずなのに、笑ってしまう。
 学校の給食の時間、牛乳を飲もうとすると、男の子が笑わせに来る。
「また来たな、昨日も来たのに。」
見ると、おはしにたくさんイカをさして、ご飯の上に置き、回しながら、
「水車、水車」
と言っている。「どこがおかしいの!?」と私は心の中で叫んだ。なのに、「来たぞ!」と思うとふきだしてしまった。幸いなことに、牛乳はこぼさなかった。少し頭にきたけれど、無理に笑ってみせながら、
「ちょっと!いいかげんにしてよ!」
と怒った。その時からあいつはイカが給食で出るたびにみんなに水車を見せるようになった。この前もイカが出て、わざわざおかわりまでして、十個ほどのイカを
「刺さんねぇ〜」
と言いながら、すべてをむりやり一生懸命刺していた。その間にみんなは
「このスキに牛乳を飲むんだ。避難だ、避難だ!」
と言って牛乳を飲み終えてしまった。間に合わなかったあいつは、ぎゅうぎゅうに刺したイカの水車を持って、悔しがっていた。イカが出るたびにやるなんていかほどかと思うけど、やっぱり笑ってしまうものだ。
 家の夕食がイカの西京漬けだった時、イカを見て私は思わず笑ってしまった。お母さんが不思議そうに
「何笑っているの?」
と、聞いたから話したら、「くすくす」って笑うだけで、大爆笑ということはなかった。
 お母さんに思い出し笑いするほどおかしかったようなことを聞いてみた。
「昔、私が会社に勤めていた頃、仲の良い友達がね、ある寒い日に、骨皮筋衛門みたいなおばさん上司と、エレベーターで二人きりになってしまったの。そのおばさん上司が友達に『今日は寒いわねえ!!』って言ったんだって。」
お母さんはけらけらとまるでくるった鳥のように笑いながらしゃべっている。
「それでね、友達は何か答えなきゃ!て思って『そうですね〜、お骨身にしみますねぇ〜。』って言っちゃったんだって。そしたら、『きっ!』とにらまれたんだって。」
お母さんは一人で大爆笑している。
「ねっ、面白でしょう。」
登場人物の性格やその時の状況を知らない私は、何がおもしろいの?と頭の上にたくさんハテナがついていた。
「それでね、まだもう一つあるの。」
まだお母さんは一人でもりあがっている。
「その友達がね、ホッチキスの芯ちょうだいって言おうと思って、『ホッチキスの豆ちょうだい』って言っちゃったんだよ!」
お母さんはおなかを抱えて笑っている。
「芯ってとっさに思いつかなかったんだろうね。大まじめに言うんだよ!」
この話はちょっと笑えた。けれど、お母さんほどでもない。
 登場人物や状況が分からないと、どんなに他のひとが面白がっていても笑えないものだな、ということが分かった。でも、それはそれとして、みんなが笑っていると、周りの気分も楽しくなったり、嬉しくなったりして、自分も幸せな気分になるということも分かった。
 昨日、六月の献立表が配られた。「イカのトウバンジャン焼き」というのがあった。また、あいつは水車をやるのだろうな、と思おうと口元が「にやっ」としてしまった。

   講評   tama


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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