国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   新しい美しさ   うっちー

 今、巷で注目されている人物のレオナルドダヴィンチが万能の天才と呼ばれた所以の一つに芸術家としてだけではなく、人間の解剖を行ったり、兵器を開発したりとマルチな分野に才能を発揮し、その名を後世に留めているからだ。彼の書いた「モナリザ」は彼が発見した遠近法などの学問による理論的な裏付けがある緻密な作品だが、昔の日本人にはありのままの自然を見て美しいと感じる感性が備わっていた。しかし、江戸時代頃から徐々に西洋的な近代美術の情報が入ってきて人工的に作られた美こそが美しいといった考え方になってしまった。私たちは日本人の持っていたありのままの自然に対する考え方を見直すべきだ。
 そのためには第一の方法として自分の周りの植物に興味を持って見ることだ。私は幸せな事に今かなり自然に恵まれた地域に住んでいるのだが、季節によって通学路に咲く植物にも大きな違いが出てくる。進級の季節ともなれば桜の木が満開の花を咲かせているし、ちょうどそろそろアジサイの花が綺麗に色づいてくる。夏になったら蝉たちが私の勉強を邪魔しつつ、その存在を盛んにアピールしてくれるようになるだろう。(笑)周りの季節感あふれる光景を見ていると、昔の人がありのままの自然の姿こそ美しいものと思ったのにもうなずける。
 第二の方法は先人達の作った俳句を鑑賞してみる事だ。季語が入っている俳句は昔の人がどのような環境に身を置いて生活していて、どういったものに心を動かされたのか良く分かる。松雄芭蕉の「静けさや岩にしみいる蝉の声」といった句も暑い中でひっそりとした山寺に響き渡る蝉の声が聞こえてきそうなくらいの描写力だ。昔の人の美は素晴らしい俳句になって今に伝わっている。
 確かに、西洋的な学問と結びついた芸術も人類の進歩には欠かせないものだ。自然の中にしか美を見出せない人々はよりそれに近づき、超えようと努力しないのだから当然進歩はできない。しかし、自然と人間が常に対立関係にあったのではなく、それぞれがお互いを支えあっていたということを理解しなくてはいけない。人々が自然に対して挑戦し、自分達で限りなく自然の持つ美に近づいたと思えるもの造りだしていく時代は終わった。これからの美術は自然に敵対するものを造るのではなく、自然に溶け込んだものが美しいと評価されるようになる。もっとも自然の美しさを感じることのできる日本人は昔の人々の考えに触れて、新しい美術を率先して広めていくべきだ。

   講評   nane

 書き出しの主題は、「ありのままの自然」よりも「ありのままの美」ということで書いていくほうが長文に合うかなあ。
 第一の方法は、「植物に」と限定するよりも「生き物に」ぐらいの方が自然。身近な体験実例は具体的。しかも描写的に書いているので、印象に残る。
 第二の「俳句の鑑賞」はいい考え。これも、「俳句の」と限定するよりも、「文学」や「芸術作品」のように一般化した形で書いて、その後の実例として俳句の話を入れていく方がいいかなあ。
 反対理解はよく考えて書いた。自然との一体化は大事だけど、そのままでは進歩がないからね。日本人はその点でも、自然を改良しながら共存してきたという貴重な文化を持っている。
 字数が1200字以上いけば上位1%の高得点。具体例がしっかり書けた点がよかったね。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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