国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ”二位一体”   おせむ

「一心不乱」はすばらしいが、「盲目的ないちず」がこまる。そこに、「遊び」が必要ではないだろうか。想像力は心に必要な遊びである。心が本来の自由な姿に戻れば、人間の想像力が働きだす。
  私は、小学校のときにマーチングバンドに所属していた。そのとき、まさに「一心不乱」に練習した。大会に向けて、夏の暑い日ざしの下で、今にも脱水症状で倒れてしまうのではないかと思うくらいまで練習した。家に帰ったら、すぐに倒れこむかのごとく寝たものだ。私は指導しなければならない立場にあったため、まるで鬼かのごとく後輩を指導した。私は、実際後輩がついてこなくなるのではないかと懸念した。しかし、ここでめげてはいられなかった。私は、自分に「気合」だ!!!と言い聞かせた。これはまさに、「一心不乱」に合致すると思う。私たちは大会を終えた。結果は芳しくなかった。しかし、努力しただけ感動が湧き出てきた気がする。確かに私は悔しさに泣きじゃくった。まるで生まれたばかりの赤子のように。だが、それは振り返ると感動的だった。この感動を得れたのは、「遊び」のおかげといえるだろう。「遊び」がなかったのならば、私は結果しかきにしなかっただろう。しかし、私の流した涙は、私たちの自慢の演奏をより多くの人に聞かせて上げられなかったことに対してだと気が付いた。自慢に思えたのは、私は、演奏するときいつも心の中でその音楽にあった情景を思い浮かべ心から演奏したからだ。これが私にとっての「遊び」であり想像力であった。そして後輩も同様に想像した。「遊び」が私たちの「一心不乱」を磨いてくれた。本当にすばらしかった、の一言につきる。話が一転するが、年々マーチングバンドに入団する子供の数が減った。その大きな原因は、“塾”“きびしい”ということだ。私は、人それぞれの道を歩むのは仕方がないとは思うが、小学生のころから塾に通い、勉強だけに従事したら、「遊び」がなくなり、“きびしさ”からのがれ、きままに過ごすものは、「遊び」と普段の差がなく、「遊び」を経験できないと私は感じている。心から、悲しみを覚える限りである。
  ここで私が感ずるのは、「遊び」なしの生活が心の育成をはばむことだけでなく、「遊び」ばかりで「遊び」と普段の区別がつかなくなるのも問題である。すなわち、「遊び」は「一心不乱」の中にあってこそ、本来の輝きを得る。そして、「一心不乱」も「遊び」によってよりいっそう美しく輝く。三位一体ではなく“二位一体”なのだ。

   講評   takeko

さすがに、経験をつみかさねた大学生だけあって、いい体験実例が書けました。自分自身のことと、社会的なこと(マーチングバンドに入る子どもがへっていること)の両方が入っているのがいいところです。
おせむさんの体験実例の中で「それは振り返ると感動的だった。この感動を得れたのは、「遊び」のおかげといえるだろう。」とありますが、この「遊び」についての説明はすぐこのあとにつなげてください。そしてこの段落の最後に「私の流した涙は」以下の文を移動させてください。離れてしまうと、一読意味をとるのがむずかしくなるからです。
「話が一転するが」は段落にわけて。ここは長文の主旨とよくあった、適切な例となりました。
最後の段落「すなわち、「遊び」は「一心不乱」の中にあってこそ、本来の輝きを得る。そして、「一心不乱」も「遊び」によってよりいっそう美しく輝く」は実感から出たいいまとめだと思います。長文の「肝心なのは、「自分のしたいこと」を「楽しむことです」にも合致していますね。しかし、違う視点からも見てみましょう。長文の中に「子供たちの天職は遊ぶことです」とあります。実際の子供年齢である6年生の生徒さんはこの文に一番共感していました。「たっぷり遊ぶ」「遊びのために遊ぶ」あるいは、「ぼんやり1人でいるひまな時間」こういうものも、「心が本来の自由な姿」にもどるためには必要ではないでしょうか。おそらくおせむさんのいう普段の(生活)と区別がつかなくなる「遊び」というのは、ゲームセンターに入り浸る子供などのことをさしているのかもしれません。そこのところに言及が必要だと思います。先日の日本昔話にも「三年寝太郎」という話がありましたね。それをも思い出させられる長文ともいえます。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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