国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   International   ノンキィ

 国際感覚があるというのは、ただ流暢に外国語を話し外国人とそつなく付き合えるということではない。グローバルイシューが広く認識されるようになった現代、時刻の国益だけにとらわれない、より普遍的な視点が必要になっている。国家の枠組みにとらわれない、地球市民としての意識が要請されている。
 今、日本の人口の1,55%は外国人で占められているという。私の住む町、京都は特に外国人観光客に人気のようで、時には一日に数回外国人の姿を見かけることもある。そんな環境で育ったせいか、私自身外国人を見かけても何の違和感もないし、むしろ彼らのいない京都は何となく寂しい都市になってしまうような気さえする。ただ、当の私が実際に国際化の波に乗って生きているかどうかは自分でも分からない。せっかく絶好の環境があるのだから、もっとトライしてみることはたくさんありそうだ。(主題)
 現代社会の中で頻繁に用いられるキーワードとして、「多国籍社会」という言葉をよく耳にする。様々な国籍を持つ人たちが互いの文化を認め、尊重し合い共生する社会のことである。私の住む京都だって、いってみれば充分多国籍社会の実現した地域のひとつだろう。そのような地域で外国人と共に助け合い生きていくとき、それ相応のきちんとした知識が何にも増して強力な武器になる。英語やフランス語をペラペラに話すより、もっと大切なこと。それは、世界の国々について、また、何よりも日本という国についてよく知ることである。もちろんこれは、普段外国人と縁のない人にも当てはまる。今ドイツで行われ、世界中を熱狂させているW杯。日本が初戦で負けてしまったのはとても悔しかったけれど、今回のW杯で私は大きな収穫を得ている。名も知らなかった国を含め、予選を勝ち抜いてきた32チームが、それぞれ揃いのユニフォームでプレーし、観客席では多くのサポーターが一心に応援している。国際化について興味を持ち始めている今の私にとって、これほど楽しく勉強になる行事はない。国際化というものは、世界に対し、きっかけは何であれ興味を持ち、幅広い知識を得ようと試みる姿勢を持つ人なら老若男女問わず誰でも実感できるのではないだろうか。(複数の方法一)(体験実例)
 昨年、お寺の集中する京都の八坂、祇園周辺へ外国人観光客へのインタビューを目的とした校外学習があった。今よりさらにカタコト英語をしゃべっていた私たちにとって、学校の教師以外の外国人に話しかけるのはかなり勇気のいることだったが、そのような体験をした後私はなぜか学校のAETにも以前よりたくさん話せることが出来るようになった。私はその理由として、外国人と他言語で「自分」を表現することのうれしさに身をもって気付けたからではないかと考えている。もしかすると、そのときに自分たちの未熟さに吹っ切れたからかもしれないが(笑。何はともあれ、身の回りにそのような環境がない人でも、知識と同じくらい行動が必要であるという話だ。自分の住む町で、県で、国際交流の機会を求めてみてはどうだろう。今は政府も自治体も躍起になってボーダレス化を進めている時代。国際人になりたいから、海外へ留学する。それもひとつの方法かもしれない。けれど、出来るだけ身近に外国の人と交流できるチャンスがあることほどすばらしいものはないだろう。(複数の方法二)(表現)
 しかしその一方で、私たちの日常生活が国際化の中になくともうまく回ることも事実だ。だから私たちは何かきっかけがなければ取り立てて国際化を意識することはないし、意識したとしても憧れるだけで終わってしまう人も多いのではないか。だが、それでも思い直してみて欲しい。「上天気の日に、嵐のことなど考えても見ないのは、人間共通の弱点である」という名言のとおり、現状に満足して別の可能性を無視してしまうのは、誰にでも当てはまることであると同時に、非常にもったいない。新聞で、テレビで、国際化という言葉がよく目に留まる。少しでも気になったら、次は身の回りを見渡してみて欲しい。自分の周囲にはどんな「国際社会」が広がっているだろうか。(主題)(表現)

   講評   nara

 京都は、古くからの町で歴史もある。地元意識の強いエリアだとよく言われているけれど、ノンキィさんの作文を読んでいて、だからこそ国際化が浸透している面もあるのかと思ったよ。確固たる自己があるからこそ、他者と臆することなく付き合うことができる、そういうことかもしれないね。こういうテーマもノンキィさんの興味ある分野のようだ。複数の方法・主題もいつもながらよく練ってあるね。
 第一方法:W杯というタイムリーな話題をうまく使えた。サッカーが国際的な感覚を育む入り口になっているのだね。その入り口は思いのほか開放的で、カギもかかっていないのかもしれない。ドアを開けて、踏み込んでみようという気持ちがあるかないか、そこがポイントだね。サッカー以外にもいろいろなドアがありそうだ。
 第二方法:「未熟さに吹っ切れた」ここはユーモアとともに、大切なことだと思うよ。私たちは未熟さを受け容れることを、ややもすると躊躇する。自分をよく見せたいところが少なからずあるものね。未熟ながらも何とか動いている、そしてそれに対してリアクションがある、そういう喜びは行動してこそ手にできるものだね。
 まとめもいいね。知識と行動、これはいずれも大切なもので、本来であればそれぞれが互いを補完すべきものだ。知識なき行動は何もしないこと以上に問題を引き起こすかもしれないし、行動なき知識は絵に描いた餅で少しもおなかを満たしてはくれないものね! 知識と行動という二つの側面から論じたことが、今回の作文の成功に繋がった。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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