国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2566 今日1494 合計4060
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   見つめよう”現在”と”未来”   おせむ

人間の良識とは、その数が激減している動植物に対し、早急に保護の手を差し伸べることである。絶滅が確実視されるまで放置したあとで、救済努力を傾注するということには、大きな矛盾を感じる。アメリカの徹底した自然保護を日本のそれと比較して嘆いた筆者だが、最近うれしい経験をした。日本では身近であるカマキリはアメリカでは手に入らないほどということだ。アメリカが自然保護で先進国となった一因として他国より自然を破壊したことも考えられる。
  以上のように、人間は、危機を目で確かめないと行動に出さない傾向がある。それは、国際連合にも見られる。国際連合では、peace making/peace keeping/peace buildingといった紛争勃発後の対応をよく議論し、このような方法を打ち出した。しかし、これはあくまでも紛争が勃発してからの話で、勃発を未然に防ぐものではない。人の命の尊さなど唱えられてはいるが、それは、失ってから気づいては遅いのだ。そこで、国連は近年、予防外交という方法を打ち出した。外交について研究というのは、“現在”についての研究といっても良い。“過去”つまり歴史を見るのは簡単であるが、“現在”を見るのはきわめて難しい。個人的ではあるが、私もこの予防外交に大変興味があり、“現在”を見つめながら研究をしたい。また、国連だけでなく身近な例としては、“親孝行”がある。多くの人は親がなくなってから、親に感謝するという。これも、失う前は、いずれ失うという事が目に見えないためか、実行しにくいものなのだ。しかし、国連と同様、少しでも考えてみれば、予防外交ではないが、“事前親孝行”というものができるのではないかと思う。実際私も“事前親孝行”をしようと試みている。この例のように、“過去”でもなくまた“現在”だけでもなく“未来”をも想定する必要性が見えてくる。国連に関しても、自然に関しても、親孝行に関しても、それぞれ、“現在”を大切にするに加えて、“未来”を想定しなければ、実行不可能といってもよいだろう。
  人間は“現在”と“未来”に対して盲目だ。失って、その存在が過去のものになってから見える。この場合、「覆水盆に返らず」や「後の祭り」というまさに人間が作り出した言葉が人間にぴったり当てはまる。上記の2つのことわざに当てはまらないよう生きていくことが人間の命題なのではないだろうか。そして私も、現在に対し盲目にならず、後の祭りにならないよう、今後の人生を歩んでゆきたい。


   講評   takeko

「要約」の要点をつかみましたね!分量もちょうどいいし、あとの自分の論述によくつながる部分を選んでいます。「人間は、危機を目で確かめないと行動に出さない傾向がある」というのは、鋭い意見です。そして「国連は近年、予防外交という方法を打ち出した。外交について研究というのは、“現在”についての研究といっても良い。」ということも、たいへん興味深い内容です。やっと現代になって、人類は「危機を目で確かめる前に予防しよう」という意識が出てきたわけですね。そもそもは、近代にパストゥールなどが現れて「病気には予防が必要」と気がついたことが人類の予防の初歩の意識の始めではないでしょうかね。かなり遅いですがそういうことに気がついただけ、良くなったと信じたいです。人間が滅ぼしてしまったドードー鳥や巨鳥モア。見てみたかったです・・・。「国連」から身近なところで「親孝行」をもってきた転回もいいですね。おもしろいです。一番の親孝行、「リアル親」として言わせてもらえば、それは子どもが元気で明るい笑顔を見せてくれることですが・・・。とてもかっちりまとまったいい作文です。一つ欲をいえば、体験実例として、エピソード的な具体例を入れてほしい面もあります。「要約」にも「カマキリの卵」のことがありますが、そのような感じです。具体例がひとつあると、説得力もあるし、ときには緊張をゆるめる文があることが、逆に全体を読みやすく、心に残る文にするのです。あくまでも、「一つ欲を言えば」ですよ! 全体に真剣に問題に取り組んでいる論述でとても好感がもてます。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)