国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日654 今日303 合計9000
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   喩えの効果   紫式部

 「黒田三郎」の「紙風船」の詩では「美しい願い事のように」というキレイな比喩が使われている。何度も打ち上げられる紙風船を「美しい願い事」にたとえ、願いを常に持ち続けることへの希望が感じられる。比喩とは、あることを分かりやすく表現することだ。ほかにも、「月とスッポン」というたとえがあるが、これは異なる二つのものを説明するために比喩を用いて表したものである。また、フォークボールの投げ方を教える時に動作で見せる以上に比喩が大きな働きをする例も上がっている。このことから比喩は大切だと思う。それには二つの理由がある。
 第一の理由は「比喩を使うことによって相手に分かりやすい説明ができる」からだ。私は小学校の時、学習発表会で荷車を引くおばあさんの役をやった。おばあさんの役というのは難しいもので話し方から仕草から、何から何までゆっくりやらなくてはならない。中でも、一番苦労したのは荷車を引く仕草だった。どうしても動きが早くなり「おばあさんに見えない!!」とかなり怒られた。そんな時、演技指導の先生が助け舟として言ってくれた言葉が心に残っている。「大きく動こうとしないで。小さく、小さくブランコを揺らすようにゆっくりと荷車を引いて」ということだった。これで私はなんとかコツがつかめ演技ができた。普通に考えると、言葉で説明するよりも、動いて教える方が伝わりやすいのではないか? と思うが、意外と比喩を使って説明してあげたほうが、自分の頭で考えるのでうまくできるのだと思う。
 第二の理由として「比喩を使うと表現が豊かなる」ということがある。物事の真相を事実のままに表現しているだけでは面白くないし事実が伝わりにくく物足りなさを感じてしまう。たとえば猫が陽だまりの中で寝ていたとする。その事実を「猫が陽だまりの中で寝ていました」と言うより「猫が陽だまりの中で勾玉のように丸くなって寝ていました」と言った方が猫が丸まって気持ちよさそうに寝ている様子が伝わらないだろうか? このように比喩は表現を豊かにさせという効果もある。 
 しかし、どんな場面でも比喩を使っていいというわけではない。正確な表現で確実に伝えなくてはならないこともある。たとえば、売り上げの悪いセールスマンが社長から「どんな工夫をして売り上げを上げるつもりなのか?」と聞かれたとする。「鬼のようにガンバリマス。」と言ってもなんの説得力もないだろう。即、クビ。比喩も場合と時を考えて使わなくてはならないだろう。
「問題とは、そこにあるのではなく、自分が作るものである」という名言があるように、自分自身で使う時と場合を選択し、比喩という表現技法を自分で工夫して使っていけたらいいと思う。

   講評   kira


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)