国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   『型』という日本人的思想   タクミコ

型こそが全てを可能にし、型を自由にすることによって、その動きがこよなく美しく人の心を奪う、という日本人の思想のもとには、人間の自然、身体というものへの否定があるのだ。これは西洋の二元論の考え方とは対照的であるが、近年では日本でもこの西洋的なものの見方を取り入れている傾向にある。私は日本の社会が西洋的視点を取り入れ、型の大切さを失っているということは問題だと思う。
このような事が起こった原因としてまず挙げられるのは近年、「論理」があまりにも重視されてきたことである。日本人的な考え方が現在も少しは残っているものとしてはスポーツなどがあると思う。例えば、私は以前アメリカに住んでいた頃にテニスを習い始め、四年ほど経ってから日本に帰国し今でもテニスを週一回のペースで続けているが、アメリカと日本のテニススクールとでは教え方はまったく違うものである。アメリカではもちろん最も基本的な持ち方やうち方は入門者に教えるものの、それ以後はボールをどんどん打っていくばかりだ。それに対して、私が驚いたことは、日本では初中級のプレーヤーでさえ素振りをすることである。米生活が長かった私は最初の方は「無駄だ」とばかり思っていたがコーチの丁寧なご指導のおかげで私は新しい発見をしたりしてボールに確実性が出てきたのである。その時私は論理的に何事も早く片付けてしまうよりも型を重視することが大切なときもあるのだという事を知った。
また、日本社会でも型の大切さが失われた第二の原因としては成果のみが求められる効率主義の時代へと変化してきたことにある。これもまた、西洋的な考え方が入ってきたからであるが日本の伝統を保持し続ける「職人」などが現代日本で不足していることに効率主義が表れているのではないだろうか。職人不足が問題となっているのは修行をしている時間がもったいないと感じる人が増えて、皆が成果をはやく出したいと思うからである。これは物事を論理的に片付けてしまうのと通じるものがある。しかし、能を含め様々な分野での「職人」の修行はそのような効率主義の考え方で得られた成果を遥かに超えたものでありその格がまったく違うものであることは顕著である。
確かに、効率が良いのはとても便利であり、時にはとても重要なことである。しかし、「効率」「便利」という言葉に現代の日本人、そして現代の人間全般は囚われすぎていないだろうか。「表面的な事実にばかり注目して心だけを成長させよう」と効率の良さだけを追求しようと思っても駄目なのである。なぜならば、効率・便利というのは自然的なものではなく、人為的なものであるからだ。何事においても真なる美しさでは内面が外見に表れるのだ。国際化が進み、西洋的思考がどんどん広がっていく中で日本的視点を保つのは難しいことかもしれないが「型」という日本独自の着眼点に誇りをもたないのは日本社会における大きな問題である。

   講評   hota

 森リンの点数が、またまた改訂中です。前回のような学年に関係ない総合評価と、学年別と、2タイプで表されることになりました。タクミコさんの場合は、全体としてはよく書けています。総合評価は、かなりいいですね。学年が上なので、その分、学年評価が辛くなりますから、こちらを上げることを目標にするといいかな。
あとは、できるだけ提出回数も増えるといいですね。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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