国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   流行   ルフィ

 よく、友達と話していると、驚かれる。「え、お前そんなことも知らないの!?」と。これは、もちろん浅学な身であるのも一因だが、どうも私は流行というものに疎いらしい。と、いうわけで、昨今から日本中が大騒ぎとなっている、ドイツワールドカップの試合もまだ一試合も見ていない(笑)。そんな私であるが、こういった視点から世間を見ると、彼らはどうもマスコミなどに扇動され、一色に染められているような気がしてならない。つまり、流行を追いかけることが行き過ぎると、個性といったものは、つぶされてしまう傾向にあるのだ。
 これを防ぐ対策として、競争社会における競争の意義を再確認するということが挙げられる。何も、新しい物ばかりがよいわけではない、ということだ。例を挙げるならば、携帯電話などが、その最もたるものだと思える。携帯は、競争が激化するあまり、やれ財布代わりだの、やれテレビだの、しまいにはパソコンの機能を搭載する物まで出てきたそうではないか。つまり、仮に私たちが携帯を紛失したとすると、それはウォークマンや、ラジオや、ゲームをなくしたことになるのである。何もただいろいろな機能をつければいい、というわけではないはずだ。だからこそ、「かんたんケータイ」などという本来の機能のみを搭載したものが、逆に異彩を放っているのではないだろうか。なんとも皮肉な話である。
 また、別の対策としては、古典や歴史に帰るというのが挙げられる。それによって流行を見つめなおすわけだ。例えば、17世紀、ヨーロッパの美術界及び文学界では、それまでのバロック主義から古典主義への移り変わりがおきていた。古典主義とは、その名の通り古代ギリシア、ローマ時代へテーマを回帰し、再び見つめなおそう、というものである。なぜそのようなことがおきたのだろうか。ここでバロックというものについて整理しておこう。一般的な意味では、静的なルネサンス芸術に対し、動的で劇迫力に満ちた性格を現す語句である。しかし、もともとは「ゆがんだ真珠」を意味する言葉であり、当時は曲線の多い装飾的な建築や装飾に対し、侮蔑的に用いられていた。ここからは私の創造になるが、当時の芸術家たちは、バロックという流行を追い求めるのに疲れて、一度原点回帰を試みたのではないだろうか。すると、案外自身を表現するのにはもってこいの題材であって、結果ゲーテやシラーなどの文学家を生み、また後世になってダヴィドなどの巨匠たちが、この頃に回帰することになったのではないか。このように、流行に疲れたときは、古きを温めることも大事なのではないか。その結果、新しきを知るのだから。
 確かに、流行への憧れが社会を発展させてきた。しかし、流行がある、ということは、またそれを作る人がいる、ということでもある。「誰かを追うのではなく、追い越すような生き方がしたい。」流行を批判するわけではない。だけど、流行に乗るような生き方なんて真っ平だ。むしろ、自分自身が流行を生み出す物となりたい。それがかなわないのならば、せめて、今の自分を大切にしよう。そのスタイルが、いつか流行となる日を信じて。

   講評   kira

 ルフィくん、こんにちは。「そんなことも知らないの?」という言葉は、私たちの心を刺しますね。ぎくっとします。所謂、中高年といった年齢層にさしかかった(あくまでも、これから!)私としては、時代に乗り遅れるといった重大事になります。そこで、頼るのが情報、マスコミュニケーションといったものですから、同じ色に塗られるのは必至です。新しいことを追い求めるというのは生産的な動きのはずが、個性や伝統を失うことになってしまうのは危険ですね。
 携帯電話の市場は、どんなに普及しても天井知らずの成長ぶりです。各企業の競争の賜物ですね。多機能、デザイン性、新しいものの追求にユーザーがついてきます。しかし、人気を集めるのが(また)中高年向けの簡単携帯といったコンテンツでした。これこそ本当の流行ですよね。けっこう、地味です。
 古典が新しいということも大いにあります。文学の歴史をたどるとその動きはスパイラル(螺旋)になっていると言われます。自然主義のあとはロマン主義、また写実といったふうに。これはその時々に、古典を顧みるからでしょうね。
 流行を創り出すという括りは、力強いね。そのためにもしっかりと自分の目をもって、温故知新のバランスを持って、どんな課題からも学び取る構えでいきたいね。

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