低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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生きることは学ぶことで、学ぶことには喜びがある。生きることは創造していくことであり、創造することで大きな喜びがある。数学者ポアンカレが言った「創造とは、マッシュルームのようなものだ」。マッシュルームは良い条件の元で菌糸を発達させる。しかし好条件が続き過ぎると枯れる。枯れないには、ある程度で根の成長を妨害する条件が無ければならない。つまり創造も知識の蓄積の段階があり、逆境が関係しているのだ。
現代の幸せとはなんだろうか?何一つ不自由なく毎日を過ごせる、これが幸せだろうか?私は良いことも悪いことも起きる波のある人生の中でマイナスをプラスに変えるような生き方がしたい。
そのための方法として第一に積極的に自分から困難に立ち向かうことが大切だ。私は先日学級委員としてクラスの皆の前に立って、話し合いを行っていた。するとある一人の女の子がものすごい勢いでクラスの皆から見ても明らかに、その子の自分勝手な反対意見を述べて怒った。私は元々その子が苦手で「怖っ!」と思ったが勇気を出して解決策を持ちかけて、その後はまるく収まりクラスの雰囲気も悪くならずに済んだ。このように、どういしよう?という気持ちもあるが勇気を出して走り出すのは非常に大切なことなのだ。
第二の方法としては社会がちょっとやそっとで困難に負けない人材作りをすることだ。日本は戦後、高度経済成長が始まるとともに競争社会が成立していった。そして子供たちまでもが競争社会へと飲み込まれたのだ。良い大学を卒業して、良い会社に入る。これが全てであった。しかし現代に近づくにつれて競争社会に非難の声が出てきた。そして小学校の運動会のかけっこでは順位がつかなくなり、テストの上位優秀者の掲示もなくなるという事態が起きた。これにより上位についた者を褒め自信にするということが無くなってしまい、下位の者のやる気をなくしてしまう。私はこれでは小さなことでも困難にすぐ落ち込んでしまう弱い人間の増加につながると考える。やはり、そのためには社会全体で良い人材を作らなくてはならないのだ。
確かにマイナスをマイナスとして、自分で受け止めるのも大切だ。次に同じようなことをしないで頑張ればいいのだから。しかし「やらずに後悔するより、やって後悔したほうが良い」という言葉があるように、マイナスをプラスに変えようという自分の信念と努力が大切だと私は思う。人生は何があるか分からない。だから面白いのだ。逆境をプラスに変えながら、いろんなことが起こる人生で私は生きたい。
講評 hota
今回も、よかったですね! 前回ももちろんよかったですが、今回の方が、全体の主張の一貫性が見られ、作文全体の流れが自然で、よどみなく結論に向かっている感じがしました。よく考えられていますね。
要約もOKです。的確でした。
方法の一と、「体験実例」もいいね。特に「体験実例」は、具体的でよくわかります。方法の二と「社会実例」もいいです。「社会実例」を入れることで、視野が広がり、説得力も増します。
結びの段落も、「反対意見への理解」「名言の引用」がうまく書けています。全体的に、とても力強く、中学生の作文としては意欲に満ちていて好感も持てます。
今回は全部ほめるところばかりでした。では、直した方がいいかな、というところを1点だけ。タイトルがちょっとあっさりしすぎているので、清書にするならここを再考してみよう。「マイナス」をどうするのか、それがどうなるのか、わかるタイトルになるといいね。できれば、作文に合わせて、力強いタイトルにしてみよう。
★競争それ自体が悪いのではなく、「正しい競争」とは何か、それを人々がわからなくなってしまっていることの方が問題だと、私も思います。競争をなくすのではなく、「正しい競争」をたくさん作ること。それがいいのではないかと思うのですが。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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