創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   頑張れッ 私。   ノンキィ

 生きることは学ぶことであり、学ぶことには喜びがある。また、創造には学びの段階では味わえない、大きな喜びがある。創造には、蓄積の部分と、それを表出させるエネルギーとなる逆境を自分の人生にプラスに取り込んでゆく能力が必要である。
 2006年5月29日。私の15回目の誕生日。この世に生まれてから、毎年その日を迎え、気がつくともう15回も経験している。その間、私はいったいいくつの失敗を重ねただろう。何人の人を無意識、時には意識的に傷つけてしまったのだろう。人間は完璧な生物ではないから、人生の全てにおいて成功することなど出来ない。むしろ私はそんな人はいて欲しくないと思う。私たちは決して万能ではない。だから、失敗に失敗を重ねて、また明日も笑って生きるパワーを得ることが出来る。そう考えたとき問題になってくるのは、失敗体験をいかに明日の自分の糧にするかということだ。今日は失敗して悲しかった。けれど、明日の自分はきっと笑っている。そんな風に考えられる大人になりたい。(主題)
 ずっと小さいときからそそっかしく、考えるより先に行動してしまうことの多い私は、今も昔も毎日のように些細な失敗をしでかしてしまう。そのせいか、よく友達に抜けていると言われる(笑。それでも心身ともに日々不自由なく生活しているのは、ある一つの信念—という程のものでもないが—を持っているからだと思う。友達につい嫌なことを言ってしまったとき、提出物を忘れていたとき、私の友達はよくこう言ってくれる。「明日朝イチで出せば言いやん。」「明日ちゃんとあやまったら許してくれるよ。」失敗はいつでも過去に起こったものだ。私たちがタイムマシンに乗って時間をさかのぼりでもしない限り、過去の失敗は永遠にその姿を保ち続ける。唯一、現在を生きる自分が変えられるのは未来のみ。ならば、その未来を変えていかなければならない。失敗をいつまでも引きずらないこと。失敗した自分を受け入れてくれる友達がいること。それが、人に誇れる私の数少ないものである。(複数の方法一)(表現)
 もう一つ、自分の長所を見つけた。前に、私の通う学校の先生が教えて下さってから出来るようになったことだ。それは、自分を丸ごと好きになること。何かが出来る自分、何かに秀でている自分は誰でもすぐ好きになれる。しかし、物事に失敗してしまう一見弱虫な自分を人は嫌い、封じ込めようとする傾向にあると思う。悩みを抱えている自分を受け止め、心に潜むもやもやを吐き出してしまう術を身につけよう。自分と同じ悩みを抱える人は五万といるはずだ。その先生はそう言った。その後私はすばらしい友達に恵まれ、悩みは人に救ってもらえるものだということを知った。そして、人の悩みを私が軽くしてあげられることがうれしかった。人に話したくないのなら、思いっきり泣いてもいい。自分を好きになって初めて「自分」も「私」に心を開いてくれる。自身の嫌なところ、汚い部分、全てを受け入れる勇気を持つこと。私の存在する青年期にこれほど大切なことはない。(複数の意見2) (体験実例)
 とはいえ、どちらも一朝一夕に身につけられはしない。私も小学生のころは小さなことでうじうじ悩んでいたものだ。今も、つまらないことを大げさに考えてしまうことは多々ある。失敗に慣れる必要はない。失敗は失敗として、受け止めなくてはならない。しかし、来るべき失敗から逃げない覚悟をする訓練をする価値は大いにある。「出口のないトンネルはない」という。お先真っ暗でも、手探り状態でもまっすぐ突き進めば必ず光はさしてくる。その光は時に私たちに大きな成果をもたらしてくれるかもしれない。あるいは、すぐには変化がない可能性もある。それでも、その光をたっぷり浴びることで、私たちは未来を創造する力を得ることが出来るようになる。そう信じて、今日も自分にエールを送る私も悪くない。(主題)(表現)

   講評   nara

 今回の作文には、随所に心に響くフレーズがある。例えば、「今日は失敗して悲しかった。けれど、明日の自分はきっと笑っている。そんな風に……」ここには小難しい語彙はなく、飾らない素直な思いがすっと表出しているね。だから読み手の心にも染み入るのではないかなぁ。
 「人生塞翁が馬」「禍福はあざなえる縄のごとし」「失敗は成功のもと」……逆境やトラブル・失敗についてのことわざは山のようにある。それだけ、私たちの日々には逆境があちらこちらに存在しているということね。ことわざにもあるように、逆境は転じて新しいプラスを生み出す契機にもなりうる。そうできるか否かは、逆境の捉え方にあるということになるのだね。過去・現在・未来という言葉の使い方がうまい。
 第二方法は、わかっていてもなかなか難しいね。これもまた、人間の陥りやすい心境で、マイナスの状態・暗いトンネルは永遠に続くような気分になりやすい。落ち込んだときは、気分も頭も下向きで、足元の暗いところしか見えていないものね。まず、顔を上げよう! 自分が自分を受け容れられないでどうする! そういうことだね。そこが実は他者への思いやりのスタートにもなるという意見もよく練ってあるね。
 そうか、トンネルの中にいたからこそ、光のあたたかさや明るさに喜びを感じるし、そこに希望を見出せるのだね。トンネルの中にいるのは、光を浴びるためなのだと考えるとがんばれそうな気がしてきたよ。最後の一文「自分にエール」だけでなく、十二分に読者にもエールを送ることができたのではないかな。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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