低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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株主資本主義の現状と課題 おかし
「会社は株主のもの」日本で新しい装いの議論がにわかに盛り上がった。この背景には、マネー資本主義、グローバル化の進展、世界的な過剰ドルの存在などの理由があった。90年代の初め、ドレクセル証券とその子会社が巨額の負債を抱えて倒産した。そのドレクセル証券のジャンク債事業本部を率いていたのがミルケンだ。ミルケンはLBOの発明者であり、否応なしに企業の絶対的買収を繰り返した。この新版ミルケンが日本に押し寄せている。株主資本主義は企業にどのような影響を及ぼすのか、長所と短所を考えたい。
まず、株主資本主義の長所は、会社の活性化を促すところだ。日本では、株の持ち合いが主流であった。持ち合いは株主価値向上の経営努力をしなくても安定株主が支えてくれる。しかし上場企業による持ち合い比率は1991年度の15%から2002年度には5%まで低下した。集団的な自己株保有、資本の空洞化が本質である株式の持ち合い時代は終焉を迎えつつある。持ち合いの解消こそバブル崩壊後の日本経済復活の一つの要因として挙げられる。
次に、株主資本主義の短所は、会社を商品として考えるところだ。本来、株式市場・会社は資金が不足だったため、調達を容易にする証券市場があみ出された。証券市場がまた株式会社の成長、拡大を支えた。いま、この資金と会社のバランスは逆転した。世界的にマネーが過剰となり、会社の資金需要は縮小している。余剰となったマネーはTOBやMOBに殺到し、この循環が繰り返されていく。この循環によって実態とはかけ離れた株価をもつ会社が増加していく。
会社は、株主への配当の向上ではなく、社会的役割の向上を目指すべきである。私たち日本人は、これまで株主資本主義を発展させてきた国がどうなっていったかという経緯を知る必要がある。そして、会社は誰のものかという議論以前に社会に対する会社の役割を考えることが重要なのではないだろうか。
講評 nane
株主資本主義の長所は、データをよく入れて書いた。日本の社会は、適応力が高いけど、外圧がないとなかなか変化しないところがある。外圧は効果があるけど、同時に歪みも生み出しやすい。
レバレッジによって小が大をのみこむような企業の統合が可能になったのは、やはりアメリカの経済学の強さ。活力のある資本主義という点では、日本が学ぶ点は多い。経済学はもともとイギリスから始まったから、経済の原則の考え方に筋が通っている。
しかし、企業も雇用も流動性が高い米国の文化には合っていても、終身雇用の文化が長かった日本で同じ仕組みが有効かどうかは議論の分かれるところ。
たぶん、日本も日本の文化にあった資本主義や会社論を考える必要がある。欧米の経済学を消化するのに精一杯だった時代から、日本独自の経済学を打ち立てる時代に入りつつあるということかもしれないね。
800字70分でこれだけ書ければ合格。
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