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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   母と習い事   えとわ

「そろばん習ってみようか?」
と母は5歳の私をおんぶしながら、話しかけてきました。なぜ、おんぶをされているかというと、熱を出していた私を寝室に連れていくためでした。私は、
「やろうかな・・・。」
頭がぼうっとしていたので、なんとなく言ってしまったのでした。そのときは、100%のやる気はありませんでした。
母が一番始めに習ったものは、珠算だそうです。母は、1年生から習い始め、5年生で1級を合格することができました。珠算を習っていたおかげで、算数の成績はよかったと自慢しています。母は、娘の私を幼稚園生から習わせたいと思っていたそうです。なぜなら、私が4歳で、すでに掛け算九九を覚えていたので、母は、珠算を習わせて、掛け算九九を使いこなせるようにしたいと思っていました。でも、近くの塾は小学生からしか入塾できなかったので、悩んでいました。そこで、母が習っていた先生に、頼んでみると、引き受けてくれたのでした。母と私の年齢差が35歳なので、珠算の先生は、おじいさんになっていました。母は、
「お母さんは、仕事を辞めたいと弱音を吐いているのに、珠算の先生は60過ぎても現役でがんばっているんだね。」
と自分に言い聞かせているようでした。母の実家の近くだったので、車で40分かけて、通うことになりました。毎週土曜日に習いに行きました。帰りは、祖母の家に寄れるので、母も私も楽しみでした。それから、毎日、母の特訓で、練習を始めました。10級、9級とどんどん級を進めることができました。私のやる気が100%になりました。合格するたびに、賞状がもらえました。みんなにほめられてうれしくなってきました。
「パチ、パチ、パチ・・・・・。」
珠算大会にも出場しました。トロフィーももらいました。祖父母の家に飾ってあります。2級まで順調に進んできました。さすがに1級は、難しく3回目の3年生の6月に合格しました。暗算は2級まで合格しています。母は、
「1級までしか、お母さんは教えられないから、後は自分でがんばってね。」
と励ましてもらったけれど、暗算の1級,珠算初段は、相当難しくなりました。このあたりから、私は、やる気が下がってきていました。毎日練習しても、今までのように上達しないからです。道につまづいたような感じです。珠算の先生に、
「10段合格した人に聞くと、2〜3時間練習をしているぞ。」
と言われました。私は、珠算のほかに、3歳から、習字・ピアノ・英語を習っていたり、家庭学習で漢検の勉強と通信教育をしたりしているので、そんなに練習はできません。母に、
「お母さんは、どんな習い事をいつまでやっていたの?」
と詳しく聞いてみました。母は、珠算1級を合格したので、珠算を辞めてピアノを4年間習ったそうです。母は、教えてくれる人がそばにいなかったから、自分で苦労しながら練習したと言っていました。だから、私を3歳から習わせたのだと思いました。ピアノの練習も毎日30分以上ややらなければなりません。母は、3歳から毎日ピアノの練習をみてくれました。今は、ピアノも母より進んでしまったので、ときどき教えてくれる程度になりました。ほかにも母は、6年生の頃から英語の塾にも通っていたそうです。でも英検3級までしか受験しなかったそうです。しなかったというよりできなかったにちがいありません。
母は、2年生の私に、
「英検受けてみようか。」
と誘ってきました。私は、珠算のように賞状がもらえると思い、がんばることにしました。5級は、満点合格でした。賞状が2枚もらえました。合格賞と優秀賞でした。家族で喜びあったのを覚えています。そのとき母は、
「3級合格したら、ホームステイさせてあげるね。」
と言ったのでした。3級受験するために、チャート式中学3年生を毎日1ページずつやってきました。分からないときは、母が教えてくれました。3年生の2月に3級が合格しました。私は、ホームステイができると喜んでいました。すると、母が、
「え、そんなこと言ったかな。あなたをひとり、外国には行かせられないわ。危険な目にあったら困るわ。」
とその話はないものにしようという感じでした。私は、だまされたような気持ちになりました。でも、この夏休みに日本で、「アメリカ人と英語で学ぼう」の国際交流にいける手配をしてくれたので、母の気持ちがわかりました。また、日本でできる親子体験留学にも申し込んでくれました。今から楽しみにしています。
 珠算のやる気と反対に英語のやる気が出てきていました。母も、私の毎日のがんばりを考えて、
「珠算を1級合格したから、辞めようか。その分、英語に力をいれようか。」
と言ってきました。私は、そうしたいなと思っていたので、助かりました。今は、英検準2級の勉強の塾に通っています。秋にまた受験するつもりです。受かるといいな。
 母は、私が小さい頃から、いろいろなことを教えてくれました。私は、とても感謝しています。先日、授業参観に、4年生になってから初めて母が来てくれました。仕事で、無理だと思っていたので、来てくれたときは、うれしかったです。授業参観では、総合学習で作った「自分について」を発表しました。母は、
「両親に感謝しています、の言葉に胸を打たれたよ。」
と微笑んでいました。小さい頃からたくさんのことにチャレンジさせてくれた母に感謝しながら、これからも、自分からやる気をもって、努力をしていきたいと思っています。

   講評   sugi

 電話でもお話したけれど、先週、今週のように、似たテーマが続くときは、いかに別の側面から捉えるかが大事。今週は、先週とまったく違った面から、お母さんと自分の関わりについてまとめることができたね。えとわさんは、ものごとを柔軟に考えることができるので、どんなテーマが出てきても対応できそうだなあ。
 えとわさんが、たくさんの習い事をしたり、学校とは別に家庭学習をがんばっている背景には、お母さんの勉強に対する考え方が大きいのだね。それも、さかのぼると、お母さんが子どもの頃にがんばったことや、もっとやっておけばよかったという実体験がもとになっているということは、今回の取材でよく分かったでしょう。珠算塾では小学生からしか入塾できないのに、幼稚園の子に教えてくださる先生を探したり、三歳という早い時期からピアノを習わせてくれたのも、お母さん自身の体験とえとわさんの成長ぶりを見て、「今から習わせてあげるのが一番いい。」と自信を持って判断したのだろうね。
 最後の段落に授業参観の話を書いて、いいまとめになったね。珠算、ピアノ、英語……といろいろな話が出てきたけれど、ここで全部が一つにまとまった印象になりました。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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