創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   今の時代に生きる   えとわ

 巳之助は火打ちで火を切りはじめた。火花は飛んだが、火口が湿っているのか、ちっとも燃え上がらないのであった。巳之助は今になって、自分のまちがっていたことがはっきりとわかった。世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなれば、男らしくすっぱりそのしょうばいはすてて、世の中のためになる新しいしょうばいにかわろうじゃないか。
 私がこの話を読んでいちばん感心したのは、巳之助が自分のまちがいに気づいて、自分の考えを変えたことです。
 もし、私が巳之助だったら、ランプより電気のほうが便利なので、電気を取り入れると思います。でも、便利なものだからと取り入れていって、環境を破壊することにつながらないようにもしなければならないと思っています。
 私にも、似た話があります。両親ともに携帯電話を持っていますが、去年までアイモードのない通話だけのものでした。姉の携帯電話には、アイモードがついていました。姉は、どうしてアイモードをつけないのか不思議がっていました。私は、便利なものの使い方を知らないんだろうと思いました。ところが去年、5年使っていた母の携帯電話が壊れてしまい、新しい携帯電話に変えることになりました。すると、父も一緒にアイモードつきの携帯電話に変えました。2人はメールのやり方に四苦八苦していました。私は時々姉の携帯電話で見よう見まねで覚えていたので、両親に教えてあげました。最初は、母は、
「めんどうね。しゃっべったほうが早いわ。」
と文句を言っていました。未だに母は、メールはあまりしません。しても少ない文字数です。それでも母は、ときどきアイモードで、検索をしているようです。父は、姉とメルともになるんだと喜んでいました。父は、母よりメールを使っています。父に、
「古いものが役に立たなくなった話ってない?」
と聞いてみると、
「温故知新。古いものもいいものだぞ。」
とわけのわからないこと、逆のことを言い出しました。父は、必ず質問に対して、まじめに答えたことがありません。まるでお笑い芸人のようです。結局、母が答えてくれました。それは、ワープロをすてて、パソコンにしたことだそうです。パソコンでは、インターネットができることが便利だと言っていました。私は、自分専用のパソコンを持っています。それで、言葉の森の作文を打ち込んだり、英語学習ソフトをやったりしています。ワープロでは、できないことです。
 私はこの本を読んで、いつまでも古いものにとらわれていないで、時には新しいものを進んで取り入れることも必要なのだと心の中で思いました。そして、環境によい新しいものを取り入れたいと思いました。ソーラーハウス,エコキュート,ハイブリットカーなど。

   講評   sugi

 巳之助にとって、ランプ屋の商売をやめることは、生活のよりどころを失うことであり、大げさに言えば生きるか死ぬかというほどの大きなできごとだったのだろうね。7.2週の長文と合わせて読んでみると、人を恨んで火をつけるほど巳之助がショックを受けた理由がわかるでしょう。ここをしっかり読み取ったからこそ、えとわさんは「巳之助が自分のまちがいに気づいて、自分の考えを変えたこと」に感心したのでしょう。
 今の時代は、巳之助のころよりも変化のスピードが速いように思えるね。巳之助のように商売がえを余儀なくされる例もたくさんありそうだ。たとえば写真屋さんなどは、デジカメの普及によって従来の仕事が減ってしまったけれど、新しくデジカメプリントのサービスを始めたりしているね。
 えとわさんが例として挙げてくれた携帯電話やパソコンも、つぎつぎと新しいものが出てくるので、買ってもすぐに『古くさいもの』になってしまうね。自分には、どんな機能が必要なのか、しっかり見極めることが大事だね。
 この長文は、「古くさいものにいつまでもこだわっていてもダメだ」という話だけれど、「新しいものに飛びつくのがよいこととはかぎらない」という一面もあるね。古くてもすばらしいもの、新しくても欠点のあるものを考えてみると、どんな場合に古いものを大切にするべきか、どんな場合に新しいものを取り入れていくべきか、自分なりの考え方の基準がはっきりすると思うよ。たとえば、えとわさんが書いてくれた「新しくても古くても、環境に悪いものは選ばない」というのは、一つの基準になりそうだね。

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