低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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目先の利益追求のための森林開発をやめよう えほる
一.日本人は昔森の中に住み、神々と一緒に生活していた。やがて農業を始める人が増え、森から出て、開かれた耕地で太陽の光の下で過ごすことが多くなった。こうして日本人の体質は変わっていった。しかしながらいまだ原生森のなかで神々と一緒に暮らしていた生活感覚は今でも屋敷林や集落のたたずまいに見られる。(要約)日本人は森から出て済む場所を屋のうちを作るために森林開発を行ってきた。近年住宅だけでなく、観光レジャー施設のため、山を削り森林を破壊するケースが続いている。森林開発は、森を壊し、土砂崩れなどの自然災害をもたらすので、問題である。ではなぜ人々は多くの森林を開発してきたのか、その原因を考えてみる。
二.原因の一つ目は、自然に対する畏怖の念や信仰心が薄れてきたことにある。山登りに行くと、たいていの山の頂には小さな神社がひっそりとたたずんでいる。まるでそこに山の神様が実在するかのように静かな雰囲気を漂わせている。しかし、山登りに行って、個々で合掌しようとする人はめったに見かけない。お賽銭箱もあるが投げ入れる人はわずかであろう。神社の周りは古びて、誰も手入れをしないのか、埃や枯葉がかぶっている。一昔前はまだ自然に対する畏怖の念や信仰心を持つ人が多くいて、神社は精神的なよりどころとして大切に手入れされていたにちがいない。
三.原因の2つ目は、社会全体や個々人が、豊かさの追求を求めることから始まり、いまやその多様化に至っている点にある。皆が自分の好みの場所に好みの設計の家を持ちたいと考えるようになり、それはお金があれば実現可能なものとなった。自然に囲まれた環境で住みたいとは誰もが望むことだが、そのために山を削り森林を破壊しなくてはならないことを考慮すべきであろう。
四.確かに、森林開発は、人の豊かな暮らしのために、ある程度は必要であろう。しかし、森林開発とは単に森を破壊してしまうことではなく、自然と人間生活の調和にある。自然環境は一旦破壊されると元に戻るのに数十年、いや何百年とかかる。森林法で一応の保護は受けているものの、特定の地域のみである。もっと厳しい規制を付けるべきであろう。
講評 baba
暑かったり肌寒かったりして体調を崩してしませんか。早く梅雨が明けるといいですね。
今回の作文は長文が難しかったのにうまく意見をまとめましたね。
<第一段落>
要約は的確です。「日本人は森から出て済む場所を屋のうちを作るために森林開発を行ってきた」という文が課題文と主題をつなげる役目をしていて、うまい書き方です。
<第二段落>
森林破壊の原因の一つ目。「自然に対する畏怖の念や信仰心が薄れてきたこと」。鋭い意見です。科学技術の発達は自然を支配しようとする私たちの考え方を作り上げてしまいました。
<第三段落>
原因の二つ目。社会全体や個々人の豊かさの追求とその多様化。独自性ある意見です。自然の中でゆっくり暮らそうと、かつての鎌倉や軽井沢などは少数の人だけが住む静かな町でしたが、今では多くの別荘があり観光地化されてしまっていますね。
<第四段落>
反対意見への理解として自然との調和を挙げました。その具体的な方法「厳しい規制」にまで論及している点がいいですね。
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