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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然と触れ合う   こずっち

 人類の歴史というのは火の使用という驚くべき体験によって幕を上げ、近代の歴史において人類はその火を電気や都市ガスなど形の違ったものにに変化させて手なずけることもできた。好きな場所で好きな目的のために使えて制御可能なものにするために、人類は火と格闘し、火に学び、燃焼を制御するさまざまな知恵を発明してきたのだと言える。しかしこの歴史によって私たちは火の中のもう一つの特徴である人間味などというものをすっかり忘れてしまったのだ。私たちは少しでも火の有り難味を身近に感じる事のできるような生き方を心掛けるべきである。
 その方法の一つとして自然と積極的に触れ合うことがある。現代はビルなどの建物がズラリと並び、道路を舗装するコンクリートが敷き詰められ、自然を介して遊ぶことのできる場所が急速に減っている。昔は食事の度に自力でおこしていたが、今や火をおこすなどという作業はレジャーパークでしか体験できないこととなっている。例えば私も好きな夏の遊びの一つに花火がある。花火をするためにも火が必要だが、私たちでも簡単に小さな火をおこせるライターなどが一役買っている。更にイベントにもなっている打ち上げ花火は遠くから見るからこそ綺麗だが、花火職人などは危険を極める作業だということを聞いたことがある。ここから判るように、外側からしか見ていない私たちにとって火は本来危険なものであるということをあまり認識していないように思われる。
 二つ目の方法として大人が子供の先に立って先導することである。子供に大人から機会を与えてやることで感動を体験できる。火に対する新しい感動を持つことで人はまた一歩自然の元来持っている感覚に近づいているのだ。例えば理科の授業など、火を扱う実験ということは最近めったに行われなくなっている。確かに実験は準備が大変である上に、危険を伴う。しかし大人が新しい発見を子供に与えれば、そこからまた新しい感動につながり、火に対しての理解が変わるかもしれない。何よりも興味を持つことが大事なのである。その体験を教育の現場で始めることが一番早く、しかも馴染みやすいと思われる。
 確かに現在の暮らしは便利で安全である。しかしそれだけではいつか従順に飼いならされている火もいつか暴走しかねない。私たちはその危険に先立って火に対する観念を少しずつ変えていく必要があるのだ。自然と触れ合い、感謝する生活に切り換えることは今最も見直すべき問題である。「人間とは結果から事のよしあしを判断する」という名言にもあるが、今が良いから全て良いなどという意見は見直して、元をたどると明らかになるような自然の力とその優しさを感じられるような生き方をしていくべきだと思う。

   講評   nane

 書き出しの説明は、多様な語彙を使ってよくまとめているね。
 表現の上だけのことだけど「人間味などというものをすっかり忘れてしまったのだ。」の「すっかり」というところが厳密性を欠くかなあ。こういう書き方があると、あまりよく考えていないように思われちゃう。(笑)
 第二段落の体験実例も、豊富な語彙で書いているね。こういうふうに話題を豊富に書く書き方もあるし、自分の個性的な体験にしぼって書く書き方もある。花火やキャンプの体験で感動的な話があれば書いてみよう。
 第三段落の理科の実験の話もいい例。中学や高校でやった理科の実験を思い出してみると、先生も大変だったのだろうなあと思うでしょう。
 結びの意見は、充実している。「しかしそれだけでは(いつか)従順に飼いならされている火もいつか暴走しかねない」はいい表現だね。名言の引用の一文はやや長いか。「結果から事のよしあしを……」という名言そのものが引用しにくかったかも。
 全体に文章の密度が濃い。この調子でがんばろう。


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