低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
足元を見る こずっち
初心者とプロの違いは技術面だけでなく発想の違いである。初心者の場合は技術からの発想で、最初に手持ちの技術と設計があり、それに必要な資源を求めていく。これに対してプロの方は資源からの発想で、まず手にいれられる資源を前提にしてそれを活用するための技術がそれから始まる。これらの違いは生き方にも反映していると思う。近代日本の発展には初心者的な要素があり、日本という土地に少ない地下資源は今でも海外からの輸入に頼っている。これらをふまえて私たちは今ある物を有効に使っていけるような生き方をしたい。
第一の方法として心持ちを変えるという方法がある。国によってそれぞれ人の特色があると良く聞くが、私たち日本人に特有なものとして何事も「〜がない・〜がだめ」といったマイナス面からまず考えてしまうことがある。ところがそれでは一向に進歩が見えない。私たちはまず先に、今自分達の身近にある物を考慮するという心持ちが必要だ。例えば私も受験勉強を始めるにあたって、まだ最初の三月や四月頃のできないうちから「私は〜ができない」と決め付けて、早い焦燥感にかられていた。しかしその状態では勉強はますます進まず、頭には入らない。その時先生が「何か一つでもできていたら誉めるようにしよう」とおっしゃった。私はその言葉に救われ、最近では後ろを向いて泣く事もなくなり、その頃より物覚えが良くなった気がする。
第二の方法として社会の在り方を考えることである。現代社会において従来のやり方では通用しなくなっていることが多々あると思う。今の日本の成り立ちは歴史を見ていく限り、大きな要素として技術の革新があることは確かだ。しかしその技術革新がなされ、危機対策がないまま現代に至ってしまったことが問題である。例えば今私たちが生活している身近には燃料や電気などの資源が大きな役割を占めている。地下資源の少ない日本はほぼ100%近くを輸入に頼り、そこで生産したものと交換することを繰り返している。もしサウジアラビアとの間に問題を起こして石油の輸出が滞ってしまったとしたら、私たち日本人はどうなるだろうか?そして現に地下資源は枯れつつある。もし地球に存在しなくなったら、保てなくなる国は自ずと現れてしまうだろう。そのためには技術の革新を進めるだけでなく今ある資源の見直しを図っていくべきである。
確かに今ある物より先を求めたい気持ちは誰もが持っている。それは向上心でもあり、発達のきっかけでもあるからだ。しかし私たちがその心持ちのまま進めば進むほど、私たちが普段気付かない何かが後退している。手の届くところにある物ほど大切な物はないのだ。資源とは「使用されるもの」ではなく「保全されるもの」である。
講評 nane
全体の構成がよくできている。この構成力を自分の得意な点として書いていこう。
でも、文の中で、やや意味が伝わりにくいものがあるかなあ。
「もし地球に存在しなくなったら、保てなくなる国は自ずと現れてしまうだろう。」など。
それから、微妙なところだけど、書かなくてもいいところは省いてそのかわり内容を増やしていく方がいい文章になる。
「今の日本の成り立ちは歴史を見ていく限り、大きな要素として技術の革新があることは確かだ。」の「歴史を見ていく限り」「大きな要素として」などはなくてもいい語句。しかし、この辺をあまり気にすると書けなくなるから(笑)頭の片隅に入れておく程度で。
反対理解は重要。マイナスを埋めていこうとするのは、ある意味で向上心だからね。
「資源とは「使用されるもの」ではなく「保全されるもの」である。」はやや苦しい。むしろ、「資源とは、そこにあるものではなく、まだないものを資源として生かすことなのだ」ぐらいか。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |