国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   真実と思い込み   ともっち

科学が人間にもたらす影響は多かれ少なかれ必ず明暗両面が存在する。市民の権利意識が高まった今、問題の判断は個々の人にゆだねられている。しかしどうすれば自分なりに納得のいく判断が下せるのだろうか。そのためには科学と社会を結びつける良質の情報が必要であるが、専門用語であるがゆえにとりつきにくい。良質の情報には優れた表現能力も必要であり、これらを備えた「インタープリター」が必要とされている。私は専門的なことについて、知ったような気になっている人が多いことに問題があると思う。
 その第一の原因はそのことを全て知っていると思い込んでいるからだ。私は日本の歴史について小学校、中2、高1で習った。中2の時は「小学校で習ったから全部知っているわ。」と思っていたが、習ってみると知らなかったことがたくさん出てきた。そして高1で習った時も「中2で詳しく習ったから知ってるわ。」と思っていたが、今まで知らなかった詳しいことまで習った。このように自分は知っていると思っていることでも、専門の人からしてみれば、ほんの一部にすぎないのだ。だから知っていると思い込んでいることに原因の一つがあると思う。
 第二の原因としてはテレビ、インターネットなどで気軽に情報を得られるからだ。気軽に情報が得られるというのは便利である一面、誤解を招くことがある。雑誌の見出しは人々の興味を引くように書いているので、見出しだけを見ていると大きな誤解が生じる場合がある。日本では1973年にオイルショックが起こり、人々はトイレットペーパーを買い占めた。しかし実際は石油の値が上がることとトイレットペーパーはあまり関係ない。けれど一部の人が買い占め、それが報道されたために人々は石油の値段高騰とトイレットペーパーが関係していると思い込み、トイレットペーパーを買い占めた。このように気軽に入ってくる情報を鵜呑みにして信じてしまうことに原因の一つがあると思う。
 確かに専門的なことをいちいち調べていたのでは、いくら時間があっても足りない。「真実とは聞いたことではなく、自ら調べた中にある」。従って私は何でも知ったような気になっている人が多いことに問題があると思う。

   講評   huzi

思い込みは、真実から人間を遠ざけますね。今は、さまざまな手段で簡単に情報が手に入るようになりましたが、情報の源もさまざまです。最初に見たこと、聞いたことを「これが正しい」と思い込まないように冷静にならなければね。ちなみに、今も、原油高が言われていて、ティッシュペーパーの値段が一時、上がりました。トイレットペーパーでないところが、昔と違って進化した(笑)。
  専門家の説明不足と、私たちの認識不足。これが、パニックを引き起こすこともあるね。どこに原因があるのだろう。
  「すべて知っているはず」という思い込み。そして、「気軽に情報を得ることができる」という簡便さ。【原因】に挙げた2つは、現代の私たちの情報に対する向かい合い方を、わかりやすい例で示すことができています。
 歴史の勉強で味わったように、物事は掘り下げていけばいくほど、意外な事実がひろがることがあります。経験不足だと、最初の情報だけで「わかった!」と思い込んでしまうのですね。
 マスコミやネットのありかたにも問題があるね。たとえば野球の話なら、先週から、「ハンカチ王子」が話題に上らないことはありません(笑)。「そればっかり」「その見方ばっかり」であることを知りながらも、見るしかないのです。このような話題ならいいのですが、もっと大きな社会的問題なら、一面的な情報が気軽に入ってきているということに、常に覚めた姿勢で臨まなければね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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