創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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自然は怖い ノンキィ
私たちの身の回りのおおかたの電気製品は、火を利用している。あるいは、水を制御可能なものにした結果、蛇口をひねればすぐに水があふれ出る。それらに囲まれる日々の中で、自然災害や火事といった自然の驚異が、予測するのも制御するのも人間の力では依然及ばないことを私たちは忘れかけている。人類が誕生するよりもはるか昔から地球の生命体を支えてきた火や水の本当の姿を知り、これから生きてゆく中でそれらの偉大さを覚えておきたい。
私はこの間友達と、映画“海猿”を見に行った。大きなスクリーンから伝わってきたのは、予想をはるかに上回る海の大きさだった。この水が、量や温度を自在に制御できる水道の水と同じものなのか。信じ難かった。そうした経験は、生の自然を直接疑似体験するよい方法だと思う。生物に与えられた命はそれぞれ一つしかないので、実際に津波や火事を体験することはきわめて危険である。ならば、せめて知識だけでも自然の大きさや偉大さを知る必要がある。
もう一つの手段は、自然の猛威についての想像力を養うところにある。直接的な体験が出来ないのなら、もっと身近な体験から創造を膨らますことが不可欠であると思う。人類はしばしば自然を手中に収めようと試みるが、火や水が私たちを襲ってきたとき、私たちになせる術はない。人は自然の前では無力でちっぽけな生物なのである。日常のふとした瞬間、そんなことを考える機会があれば、自然を支配したつもりになっている人間の愚かさが見えてくる。
もちろん過度の恐れは杞憂であるし、自然をなんとしても征服しようとする人々の熱意の恩恵を、私たちはたっぷり受けている。ただ、これだけ自然を利用してきた私たち人類はそろそろ、寒さに対抗するいちばんの方法は、寒さに満足することだという事実を認めなければならない。何かを私たちの都合に合わせて変えるのではなく、私たちが相手の都合によって変わることの重要性に人類は一刻も早く気付く必要がある。
講評 nara
電話での口ぶりが「充実した夏休み!」をよく表していたよ。作文への取り組みも積極的でよろしい! 十二分に自分を肥えさせることのできた夏だったね。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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